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舟を編むのピエロのレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
4.4
良い意味で深くてすごく地味な映画。

どの作品にも何かしら欠点がある、そう考える私はこの作品のそれを見つけようとした。だけど2時間18分何一つ違和感も何も見つけられなかった。
良かった。
そりゃ賞もとりますわ…

前から気になってはいたけど"地味だろうな"と先伸ばしにしていた作品。今日この作品を見た方が良いと言われ見てみたら。
案の定地味。
でもものすごく丁寧に人物を関係を写し出している。

まじめ(松田龍平)のあの演技の違和感の無さ…もし街で会って"まじめ"と呼びかけたら普通に振り返りそうな
またはまじめという人物がのりうつっているかのような…
動揺の仕方、箸の持ち方、喋り方。すべてが物語っている、まじめという人物を

かぐや(宮崎あおい)もさすが。
大家の孫から夫を温かく見守る妻を見事に演じていた。

その他俳優陣も素晴らしいなぁほんと
あっ又吉!とかあっ辞書の表紙に麻生久美子!ってなったし出てくる登場人物全員いい人で(涙)オダギリジョーもあんまり好きじゃなかったけどはじめて好感をもった。
あと、黒木華もいいね👍ちょっとギャルな大学生感◎

日常であたりまえに使う言葉たちがほんとは影で人と人とを繋いでいる。文字として生きる言葉もあれば、文字を言葉にするからこそ意味をもつ文字もあってすごく興味深いなと思った。

そして世界中にたくさんある職業からなぜ辞書を作る仕事を選んだのかなぜ間違っている言葉を訂正して何十年もかけてまで作り続けるのかなんとなくわかった気がして少しだけうれしくなった。

劇中で動く登場人物の言葉で溢れた環境に心が温かくなり終始微笑ましい

長くなったけど見てよかった勉強になった作品。
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