Linla

舟を編むのLinlaのレビュー・感想・評価

舟を編む(2013年製作の映画)
4.5
「憮然」とした顔をやってみて。という冒頭のシーンから
様々な言葉の意味、深さを考えさせられた。
何気なく使っている言葉。
「右」という言葉も
ある人にとっては時計回りの方向がしっくりきたり、
ある人にとっては数字の10の
0の位置の方だったり。
言い方や表現が違うだけで
頭で思い浮かべる情景さえ
全く違うものになる。

思いを伝える為のものだから
意味を知りたくなりませんか

加藤剛の少ないセリフは全てメモりたいほどに響く。
松田龍平。
この方程どんな役でもいつも
声のトーンがいっしょだし、
棒読みのように喋るのに
つど役柄をモノに出来る人は
いないんではないだろうか?
しかしー
本作のみっちゃんという人物は無口で内向的だけどなぜか
いつもの棒読みに少し抑揚が付いていたような気がして
逆に不器用な感じが絶妙。

今まさに「不器用」を変換したら「無器用」も出てきた。
う~んどっち?
日常でもこんな事多々ある。
何となく過ごしてきたなー
「ら抜き言葉」の無意識とか


昔、初対面の方に
出身地の方言を尋ねられたり
自分の欠点だと認識していた唇やあごの形を活かせる事があると言われ、何か失礼な人と思ったら、英語の言語学を研究されている方だったって事、思い出したが、
劇中でも加藤剛と松田龍平が
現代語として女子高生の会話をマックでじ~っと観察してキモがられて笑えるシーンが
あった。 世の中には
色んな視点から物事をみてる人ってたくさんいるのだ。

辞書作りりという作業を通じ関わる人間関係が
心地よい濃さで描かれていて登場人物全員に興味が湧く。

低体温症な、みっちゃんが
辞書の言葉にワクワクしたり
辞書の出版が中止になりそうになった時のアツい必死さが
観ていて同じ気持ちになれた


高揚感が抑えられない、
そんな気持ちで仕事ができる
そんな幸せってあるだろうか

仕事が恋しくなってしまった
Linla

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