似太郎

Playbackの似太郎のレビュー・感想・評価

Playback(2012年製作の映画)
4.5
これは公開当時、映画マニアの間で話題となった異色の「タイムリープ」もの。村上淳演じる主人公(映画俳優)の青春の残尿感がとても濃く表現された三宅唱の出世作。

明らかにヴィム・ヴェンダースの『さすらい』や『都会のアリス』を意識したロード・ムービー的作風で、しっとりしたモノクロ画面からは清潔感が漂っており全体を通して品性良好な青春メモリアル。

その「品が良過ぎる」又は「教科書的」な演出が、三宅作品の最大の弱点とも取れるのだけど? 抑制された台詞回しやカット割などは好印象なのだが、何かパンチが足りない映画でもある。たしかに相当な意欲作だとは思うが、もうちょっとで突き抜けた大傑作になった筈。そこが何とも惜しい映画。😔

まだ監督自身が若いから、これからに期待する。極端に内省的な作品なので映画というよりは現代詩とか現代短歌にも近い感触がある。
ちょっとイマドキのサブカル、オタクっぽい雰囲気も含めて。(笑)
似太郎

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