村上淳・渋川清彦・三浦誠己・山本浩司・渡辺真起子・河井青葉…。
好きな役者ばかり。
Playback。日本語に訳すと再生。
再生。
今までどれだけの時間を使って、再生について語ってきただろう。
「破壊と再生」とか。
「喪失からの再生」とか。
私はこの言葉を無意識のうちに、「再び生まれる」あるいは「再び生きる」と言う意味で使っていた。そこには常に、痛みが伴っていた。
だが、
再生には、実はもうひとつ、大切な意味がある。
録画したり録音したりしたものを、見直したり聞き直したりする、と言う意味である。
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これまでにも、気に入った映画があると、何度も何度も映画館に足を運び、リピート再生を繰り返してきた。見直したり聞き直したりするたびに、新しい発見があるのが嬉しくて、こういう場で映画の感想を更新するなどしてきた。そして、その映画は、リピートの回を重ねるごとにますます価値のあるものとなっていった。
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そうか。
映画も人生も一緒だ。
自分の過去の記憶だって、見直したり聞き直したり、リピート再生を繰り返していけば、新しい捉え方が生まれ、「あの時やっておけばよかった後悔」も、「あの時やらなければよかった後悔」も、自分にとって価値のある「過程」に変わる日が来るかもしれない。
この映画の最後の村上淳の表情のように、自然な笑みが私の中から湧き上がってくる日が来るかもしれない。
押そう。
再生ボタンを。