個人的に、5月はホ・サンス監督作品強化月間。
この作品はなんやかんやと3回目の視聴。
エルガーの行進曲「威風堂々」が、これほど皮肉めいていながらも絶妙に似合う映画作品は他にあるだろうか?
若き頃のイ・ソンギュンがの軽薄で調子がいいプレイボーイの映画監督役が、どこか憎めなくて実に役に合ってる。
初見では、途中で時間が4年前に戻る部分を見落としがちなので要注意。
「ヘウォンの恋愛日記」でも山をハイキングする描写が大事な部分で登場するが、今作のクライマックスも最後の章のアチャ山登りをヒロインが「年上の男」「若い男」と同時に付き合う男性と別々の日に実行し、二人の男性の行動や言動を比較する下りが作品の見どころ。今の時代を生きる女子大生の恋愛感覚が垣間見えて非常に楽しい。
ただ、三回目の視聴の今回は、自分がリアルに「年上の男」目線に立ってしまい、本来はコメディなのに、やるせない哀愁の念を感じてしまった。
登場キャラクターたちの台詞が実にリアルなのも、やはり、ホン・サンス。