うめ

ルビー・スパークスのうめのレビュー・感想・評価

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)
3.5
 『リトル・ミス・サンシャイン』のジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリスの夫婦が監督、『リトル・ミス・サンシャイン』に出演していたポール・ダノと名匠エリア・カザンの孫ゾーイ・カザンという実生活でもカップルな二人が出演したラブストーリー。(ちなみに、今作は2012年制作だが、ポールとゾーイの関係は今(2015年11月現在)も続いているよう。)

 ポール・ダノが演じるのは、作家のカルヴィン。19歳のときにデビュー作で有名になったものの、10年が経ちスランプに陥っていた。犬を散歩させ、セラピーに通う日々。だが夢の中に登場した女性ルビー・スパークスを小説として書いたことで、彼の日々に変化が訪れる。なんと、ルビーが実在して家の中にいるではないか!どうやら他の人にも見えるようで、夢の中の女性と過ごせると理解したカルヴィンは大喜び。小説も書かず、ルビーと楽しく暮らしてたのだが…。序盤から、なかなか変わった展開だけれど(笑)、中盤からルビーを生み出したカルヴィンの内面に焦点が当てられているので、しっかりとしたドラマになっている。

 ポール・ダノは何でもはまるなぁと思った。今作のように内向的な役はもちろんのこと、ちょっと変な奴から狂った小物まで、観る度に違う表情を見せてくれるから嬉しい。一方、お相手役のゾーイ・カザン。こんなに可愛らしい人だと思っていなかった。ポールが長身な分、小柄で華奢で、顔小さくて目がくりくりしてるゾーイはかなり魅力的だった。(長身で細身なポールも個人的にはグッと来ましたよ(笑))二人は実生活のパートナーなので、劇中のデートのシーンなどは本当に楽しそうで、幸せそうな二人だった。

 人間、自分のことでさえ思い通りにできないのに、他人を自分の思い通りにするなんて不可能だ。恋愛という枠に拘らず、人と人がいたらお互いを知って、ぶつかって認め合って…そんな過程を経ることがまず大事。そんなようなことをカルヴァンは知ったからこそ、あのような結末になったのではないかなと思った。

 ただカルヴァンの背景や感情などの描写がやや少ないし、中盤にかけての展開がやや急だったので、いまいち理解できない部分があったのは残念。後半はもう少しゆっくりな展開で見せてもよかったかもしれない。

 『リトル・ミス・サンシャイン』には劣るが、変わっているようで身近な恋のお話。たまにはこういうのもいいかもしれません。