潮騒ちゃん

ルビー・スパークスの潮騒ちゃんのレビュー・感想・評価

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)
3.8
ラブストーリーに関しては男目線の方が断然入りやすい。しみったれていればいる程に入ってしまいます。冴えないクンが理想の彼女を作り上げるというメルヘン過ぎるこの映画、一歩間違えばゲロ吐く気持ち悪さになっていたと思う。そうならなかったのはどう考えてもルビー・スパークスを演じたゾーイ・カザンの功績だよね。特別じゃないのにとびきり。他にいますかこんな子。男の願望をひょいひょいとやってのけて尚、あざとさを感じないなんて最早奇跡だと思う。作り物であるはずのルビーに芽生えてしまう自我。見ているこちらにまで戸惑いや心の痛みが伝染する。ああ、人の心は操れないんだ…。そんなのはじめから分かりきっていたはずなのに彼女の泣き顔に改めて確信した。どうしようもないぼくの映画だけど降りてきた天使に免じるしかない。
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