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レ・ミゼラブルのmatchypotterのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
4.4
“ミュージカルの映画”、Vol.25。
本企画、大トリを飾るのはこの作品。

もうこの企画と、ここまででほぼほぼ観たい作品は抑えた気がするので一旦ここで幕を下ろす、ミュージカルなだけに。

もう感無量。

ヒュージャックマン、ラッセルクロウ、アンハサウェイ、アマンダセイフライド、エディレッドメイン、ヘレナボナムカーター。
歌える役者が揃いも揃って、、、。

この画面から伝わる衝撃、ホントに“ミュージカルの映画”企画、最後にふさわしい映画だった。

アンハサウェイの“夢やぶれて”。
この生歌シーンはその中でもこの映画の全てが詰め込まれているような。
悲壮感と絶望感と、その中であり得ないことをわかっててもそれでも願わずにはいれらない一縷の“望み”、希望を感じる。

『Les Misérables』、『あぁ、無常』。

生まれた時代、生まれた環境は選べない。
些細なことで変えられてしまった人生を悔いても先はない。

人生を諦めてた1人の男が、そこからの人生に区切りをつけて、人生を諦めざるを得なかった1人の女が残した“宝”を、彼女に代わって、その人生と愛を賭けて守り抜く。

普通のミュージカルは歌を先に収録して現場で流してそれに合わせて口を動かして演じる、らしい。

しかし、この映画、その場で歌ってるらしい。
それに仰天。

だから、この“生”、ライブ感がスゴい。
歌が本当にその一瞬を抜き出している。

しかも、歌を歌として調子良く歌う、ではなく、本当にその時の感情や環境や、動作に合わせて緩急とボルテージの上げ下げを細かく歌い上げる。

この臨場感。素晴らしい。
素晴らしい、とか言うのが畏れ多いレベル。

ただただ生きるために、地を這ってでも、逃げ惑ってでも、隠れ潜むような生活をしようとも、その約束を果たすために、少しでも明るい希望を掴むために、、、、。

毎日毎日、必死に、必死に生きる。
それはジャンバルジャンだけではなく、みんながこのフランス革命の激動の中を必死に生きる。

その“生きる力”が溜まりに溜まって、沸沸と煮えたぎりながら、ところどころで爆発しながら、命と愛に生きる物語。

最後の修道院のシーンは、そこまでの全てがオーバーラップしながら、、、何かもう込み上げずにはいられなかった。
ここまでの人生がフラッシュバックするかのような強烈な波が来た。

“ミュージカルの映画”、食わず嫌いなところであったけど、観てみたら、、、観てよかった。

ミュージカル映画、そもそも歌が好き嫌いとか、歌によって乗れる乗れないがあるのも事実だが、歌だからこそ伝わるものもあるな、と思った。

『Les Misérables』、“ミュージカル映画”の集大成。
ホント、凄かったこの作品。
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