叶愛

レ・ミゼラブルの叶愛のレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
4.8
全てが豪華すぎる映画だと思います。キャスト、音楽、衣装、カメラワーク、演出、錯綜する人間達、革命、熱い暑い厚い。人の心は何によってもやっぱり止められない部分があるし、それによって起こされた体の衝動、激しい動きや、突き動かされる喉から吐き出す音楽の熱量、1人ぼっちの、たった100メートル離れるだけでもその場にいる人には感知されない、でもその大きな爆発、それが誰かの目に止まることは、ふたつだけの目で見たものだけしか取り込めない私たちにとって、やっぱり奇跡であって、なんて大きなドラマなんだろうと思います。それらを映像に留めて、見ることができる映画というものに改めて心も体も全部が全部でひれ伏したいと心から実感する作品です。

個人的には、酒場の主人シーンが最高に大好きです。ヘレナの目を見開いた時の白目の面積、何回見ても心臓が締まる…。

不幸と幸せは世界で平等、そんなの嘘嘘大きな大嘘。不幸せで惨めでくそったれな人生の中に見えたほんの僅かな光に縋って祈って、神様、と歌を歌う人の顔とからだ、震える声に感動が止まらない。私はエポニーヌちゃんについての感想を書けと言われたら原稿用紙100枚程書きたいぐらいエポニーヌが大好きなのですが、ラストシーンの彼女の歌う姿に、涙がやっぱり止まりません。好きな人のために、身を投げ出すあの若さ、恋心、オンマイオウン、、。ティッシュじゃ足りない、タオルください、、。あたしひとりの、みにくい体とほんのちょっぴの恵まれたありふれた人生が、この映画の登場人物ひとりにすら及ぶことなんて、到底できない。人物一人一人の濃度が猛烈に濃い、密度がやばい作品です。人生で一度は映画を見ない、音楽を聞かない、歴史になんて興味ない、そんな人達も、たとえ面白さが感じられなくても、感動しなくても、重くても、一見してほしい映画です。人は、こんな凄いものを世に生むことができる本当は本当に、凄い生命体なんだと再確認&大感動に襲われます。