柑子まりひろ

レ・ミゼラブルの柑子まりひろのネタバレレビュー・内容・結末

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

良い映画だった。
もう一度見て、感想を改めて描きたい。
今そんな気持ちになるような映画であった。


もう一度見よう。

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もう一度見た。

改めて見ると、この話を噛み砕く余裕が出てくる。
やはり(個人的に)馴染みのない時代、場所の出来事であったので、細かい点で、よく分からなかったことも多くあった。
それも2度目を見ることでよく理解できた。

なによりもこの話で素晴らしいのは、ジャンバルジャンという男の葛藤である。

以下は序盤にネタバレになるので見たくない方はお気をつけください。


彼は妹の子のためにパンを1つ盗んだ罪で19年間投獄される。
そして、仮釈放されるのだが、19年間投獄された犯罪者の彼に世間は冷たく、働く場所さえないまま、浮浪者のような生活を送る事になる。
しかも、一月に一度、警察署に赴く必要があり、また、彼は子供から大人にまでさまざまな暴力を振るわれる。(浮浪者であるゆえに)

そして完全に怯えきってしまったところで彼はキリスト教の司教に拾われ、ご飯と宿を得る事になる。
しかし彼はその司教から盗みを働き、逃げ出した。

そして後日。
彼は捕まり、司教の前に連れ出される。
そして司教の前で彼は苦し紛れにこう言う。
「これは彼から貰ったんだ」と。


しかし司教はそれを否定せず。その通りだと認める。そしてジャンバルジャンが捕まったのは間違いだとし、彼の無実を訴えた。


ジャンバルジャンは強く後悔した。

そして彼は、今までの自分を消し去り、善く生きて行くことを決意したのだ……。



これが序盤のあらすじである。

そしてジャンバルジャンは、事あるごとに善くあるために葛藤する。

ただの凡人でしかない彼は、常に葛藤する。
自らの欲望か、或いは自らの欲望を捨てた奉仕かを。


彼は恣意でもって、凡人であるにも関わらず聖人を目指すのである。
過去の罪に追われながら。


もはやジャンバルジャンの葛藤だけでもこの映画は見る価値があると思う。


そして私が一番好きなジャベール。
他にも魅力的な登場人物は様々いる。


そして皆それぞれ、何かしらの哀しみを抱えているのだ。

レ・ミゼラブル
哀れな人々



素晴らしい映画であると断言できる。
ジャンバルジャンは善く生きたと思うのだ。