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理想の出産のpikaのレビュー・感想・評価

理想の出産(2011年製作の映画)
3.0
レンタルビデオ店での出会い、それを活かした素晴らしい「女は女である」オマージュをオープニングで見せられたりしたもんだから要らん期待を抱いてしまったが真っ当なネタ映画だった。
題名さながらに妊娠出産に挑む人やかつて経験した人たちがターゲットのネタ映画。自分の身にも起きるのかと夢想したり、映画のシーンに刺激され、『あるある!』と楽しみながら自分の経験を思い出して懐かしむ。間口は狭いがターゲットに対してはなかなか真摯に作られているように思う。赤裸々ながらも万人にウケるよう開かれていてそこまでドロドロと掘り下げずサラリとオシャレにまとめている。
キャラクターでドラマを見せる映画ではなく見る人が自分に置き換えて見る映画なので、妊娠出産に全く興味のない人=置き換える気がないと表面的で中身の薄いドラマに見えてしまうかも。


陣痛といきみの描写はめちゃくちゃリアル。自分のときのあの苦痛をまざまざと思い出した笑
何人にも見られ触られ性的なものではなく単なる通り道に思えてしまうところもあるある笑。母乳派は乳も食事のためのものっつー概念になるよね笑
0歳児置いて朝まで酒飲んで一日ぶっ倒れていられるのは凄いし旦那はめっちゃ頑張ってると思っちまう。未だに飲みに行ったことないよ。任せることが不安なのではなく離れること自体が不安。旦那について日常では自分勝手ぽく描写しておいて突然丸2日?3日?しばらく一人でどこにも預けずちゃんと面倒を見ているように描写するとファンタジーに見える。
産後クライシスのくだりが主人公の主観一人称がゆえか酔っているように見えてしまうところも。
ここまでやれたらもっとイケたんじゃないかなー勿体無いなーと思うが、おそらく普段日常的に映画を見ない勢もターゲットにしているからビビらせないように万人受けできるように映画的な快楽は薄めに作ったのかもしれない。

ラストシーンは「天使のくれた時間」かな。
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