ハ

映画 鈴木先生のハのネタバレレビュー・内容・結末

映画 鈴木先生(2012年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ドラマ全話を見てからの視聴。

鈴木先生の「学校の秩序は手がかからない生徒の摩耗の上に成り立っている」という言葉。そして、それを理解しての合理的な言動や行動を出来るのがすごいなあと思った。それを良くは思わない先生もいたが、声掛けや何かを教える時の話し方や考えはとても良いと思ったので取り入れていこうと思う。

私は自分で言うのもなんだが手がかからない生徒の方で、多くの先生たちは手のかかる生徒に時間を割くため、手のかからない生徒なりの悩みや諦めを感じたことが多々あった。

鈴木先生も最初から摩耗していることに気づいた訳では無い。自分の教育理論の実現のために何人かの生徒の信頼を失いかけたこともある。(誤解も多少含まれていたが)でもそこから学び、実践していて、現代の頭のお堅い先生はぜひ見習うべきところだなと感じた。

映画での刃物を持った卒業生が出てくるシーンは鬼気迫るもので本当に怖かったが、小川蘇美の「みんな冷静を演じている 先生から教わったことだ」というシーンはとても胸にくるものがあった。今まで私は、実際あのような状況になったら教師としてどのように立ち回れば良いか(状況にもよるが)自分の中で解決策は見えなかった。でも足子先生の、生徒第一の考えと行動、そしてそれは当たり前だと思う心はまさに教師の鑑だと感じた。こんな上司いたら嫌だなあと思っていたが、大好きになった。

前に誰かが、「先生は1人間としてではなく、『先生である時』を好きになってもらうべき」みたいなことを言っていて、今作の『演じる』ということに繋がるのかなと感じた。あと少しで腑に落ちそうなのでこれからわかっていけたら良いと思う。

ドラマは初回から踏み込んだ内容が多く、多くの人におすすめはしづらいが、教育者を目指す人なら見ておいて損は無いと断言出来る。

本当に世界は変えられるのかもしれないと思わせてくれる映画の一つ。
ハ