結湖

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日の結湖のレビュー・感想・評価

5.0
大変遅くなりましたが、あけおめ、ことよろです。
今年も皆様のレビューを楽しみにしております。
そんでもって、今年初レビューです。今年も関係ないことばっかなレビューになると思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

猫が好きです。(早速、どうでもいい)
ネコ科が好きです。トラと漂流!?ソレは観なければ!
公開当時、そんな理由で見に行きました。
まさか、3回も劇場に足を運んで見ることになるとは。
いやーん、リチャード・パーカー(トラ)が可愛い~!(けど、トラとは漂流したくはない)
もうね、完璧すぎる。大好きな映画です。
OPシークエンスの演出で鷲掴み。ダイナミックな嵐の映像はもちろんだけど、漂流前のインドでの生活や、穏やかな海の映像も、更にエンドロールもとても素敵。音楽も良いんですよね。
そのうえ、ストーリーまで素晴らしい。
漂流する前のパイ(スラージ・シャルマ)がどのように宗教に出会い、両親からどんな影響を受け、どんな出会いがあったかが描かれているんですが、ここがないと後半の漂流してからトラとの漂流生活がなんにも面白く無いんですよね。
というのも、この物語は全体に比喩で作られている哲学的な映画だからです。
父親は宗教に興味を持つパイに「神々の物語や美しい炎に騙されるな、宗教は暗闇だ」と忠告します。
そして、この物語を聞く小説家(レイフ・スポール)は無宗教で現在のパイ(イルファン・カーン)の話を「聞けば、神を感じる」という触れ込みを、半ば嘘だろうってな思いを抱えて聞いてるんです。
それは見ている観客も同じで、そもそもトラと漂流するってどうなのよ、っていう内容だしね。
だけど、トラとの漂流生活は克明に描かれ、語られる神秘的な体験を観客は3D映像で体験し、次第に物語に引きこまれ、混乱します。自分の中にある、神って一体なんだろうって。
そして、衝撃的な最後。パイが語るもう一つの物語。ここには映像はありません。淡々と語るパイの姿だけです。
観てる方はもっと混乱します。今までの物語はなんだったんだろうって。そして、それはパイの台詞によって明らかに観客に向けられます。
「2つの物語のどちらがいいと思う?」
この歳にもなっていまだに自分探しをするってのもなんですが、この物語は自分の中にいるトラの存在を確認する物語で、それはパイと小説家を通じて、見ている私達を巻き込んでいくのです。
なんて、映画なんだろう!スゴイ!!!
映像の綺麗さばかりを言われがちなのがもったいないです。確かにスゴイんだけどね。もう一回IMAX3Dで観たいなぁ。
2016/01/11:BD