怨念大納言

脳男の怨念大納言のネタバレレビュー・内容・結末

脳男(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

羊達の沈黙と非常に良く似た展開だけど、脳男とレクター博士を比較するのは脳男にとって大きな損。
どっちがいいというより全くの別物(敢えてどちらが聞かれればレクター博士なんですけど)

原作は未読ですが、江戸川乱歩賞の受賞作とのこと。

生田斗真の激励な男前も手伝って、脳男は魅力的ではあるんですよね。
ただ、A.I.のディビッドのような悲劇のヒーローのようで、レクター博士のようなダークヒーローのようで、殺し屋1のイチのような制御不能の怪物のようで…。

なんか中途半端な感じもしたけど、印象は「イチ」に近いんですよね。
無感情の脳男と情緒不安定のイチでは真逆なんだけど、人間としてポンコツで殺し屋として一流、おまけに極端な他者依存な所とか。

脳男にせよ、サイコパスレズ女の二階堂ふみにしても、演出としてあまりに分かりやす過ぎるというか、大袈裟で典型的な狂人の演出は寧ろ漫画的で時々冷める。
目も口もデカい二階堂ふみが、目を見開くと確かに怖いんですけどね。
貞子VS伽椰子の玉城ティナしかり、目のデカいお人形フェイスの女優さんはイカれ女とホラー被害者に続々参戦して頂きたい。

人が死にまくる悲惨なストーリーの割には陰鬱さが少ないのは、肝心の脳男&サイコパス女の表現が漫画的でリアリティがないおかげかもしれない。

ラストのどうしようもない悲壮感は好き。
狂人、異常者、サイコパス、キ◯ガイ、他ややこしい医学的呼び名の数々…。
色々と呼び名はあるけど、そういう人たちに、まともぶってる私たちが出来る事って少ないのかもしれない。
怨念大納言

怨念大納言