ふぁい

スタードライバー THE MOVIEのふぁいのレビュー・感想・評価

スタードライバー THE MOVIE(2013年製作の映画)
5.0
青春と永遠のお話です

青春と永遠は相反する矛盾の存在であり、青春はいつか終わりを迎えます

タクトの父親でラスボスのヘッドはその自身の青春を忘れられず、過去に縋り、自身が最も煌めいていた青春時代を無限に繰り返すことで永遠に煌めきの中にいられると思っていました

しかしタクトはすごい空を見ても「これから、これとは違うもっとすごい空をきっと見る」と言い切ります

ヘッドは、過去に見たすごい空を何回も見直したいがために空の絵を描き、ソラの絵を描き、そしてかつて見たすごい空を無限に見返すために力を行使します

しかしタクトは「見えている」と言い、「見えている」タクトは父の力を破り、親友を助け、かつて見た空とは違う、もっとすごい空を目の当たりにします


青春時代は根拠もなく、これからすごい空が見られるんだと言い切ることのできる万能感のようなものがあります

しかし青春が終わり大人になると、すごい空を見る自分の未来は見えなくなります
かつてすごい空を見ていたのに、今はその未来は見えなくなる

青春は有限ですから誰しもその時を迎えるでしょう
そこで青春を永遠に続けようとしてもそれにはもはや青春の煌めきはなく、かつて見た空よりすごいものにはなりません

しかしかつてすごい空を見られると思えた自分がいた瞬間は永遠です

青春の一瞬の煌めきこそ永遠、その一瞬の永遠を生きる若者の話です

スタードライバー ぜひ見てね
ふぁい

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