TAK44マグナム

ジャッジ・ドレッドのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ジャッジ・ドレッド(2012年製作の映画)
3.5
※セル・ブルーレイ版の感想です。

スタローン師匠が残念ながら、おちぶれ始めた頃に撮った「ジャッジ・ドレッド」が長い月日の後に、いきなりリブートされたのが本作。 
イギリスのコミックが原作です。 

核戦争後の未来のアメリカ。 
メガシティワンと呼ばれる大都市の治安を守るのが、裁判官・捜査官・処刑人すべての権限を持つジャッジと呼ばれるエリート警察官たち。 
その中でも特に優秀なジャッジであるドレッドが、新人のアンダーソンを連れて麻薬密売人殺害の捜査に向かう。 
場所は地上200階のピーチツリービル。 
しかし、そこは「ママ」と呼ばれる危険な麻薬組織の女ボスが仕切る犯罪者たちの巣窟であった。 
たった二人でビルに閉じ込められたドレッドたち。 
ママとドレッドの壮絶な戦いが始まった。 

劇中、ほとんどの舞台はビルの中です。そこで終始、戦いがおこなわれるわけですね。 
ドレッドは超人的で、ほぼ無敵なんですけど、それでも多勢に無勢でピンチになります。 
でも、新人のアンダーソンの助けもあって、最後には悪党全滅です。 
超シンプルでわかりやすさ抜群。95分と、比較的短い尺なので気軽に観られるのもポイント高いですね。 

スタローン版と異なり、原作通りにヘルメットを脱がないドレッドなんですが、そのキャラクターが全然ブレないので良いです。 
犯罪者にはまったく容赦しないし、基本的には感情に流されません。ほとんどロボットみたいなキャラです。 
それでも、銃をむけてきた相手が子供だったりした場合はスタン弾で麻痺させたり、節度もあるので不快なキャラになっていないのも○。 

相棒役のアンダーソンはテレパシーで人の心が読める超能力者なんですが、これがすごく役に立つ場面が多いので、無駄な設定になったりしていません。というか、この能力のおかげでドレッドもだいぶ助かるし、タフで戦闘のプロと便利な能力をもった相棒のコンビがバランス良い感じ。 

アンダーソンを演じるオリヴィア・サールビーがとてもキュートですね。超美人というわけではないんですが、日本人の感覚でも受けるルックスだと思います。ほんのちょびっとだけセクシーシーンもあったりします。一瞬だけど。 

中盤のガトリングガンの場面は中々壮絶ですごいし、汚職ジャッジたちの登場も意外で面白かったです。 
ただ、ジャッジがみんなヘルメット着用でコスチュームも同じ、さらに無精ひげづらなのも同じなので、戦闘シーンでどっちがどっちなのか良く分からなくなりましたよ・・・汗 

最終ボスのママが、ちょっと捻りの少ないキャラだったのが残念です。 
もう少しエキセントリックな面が強調されても良いのでは? 
ちょっとスケールが小さく感じられちゃいました。 

それにしても、本作は3Dだったはずなんですが、日本では3Dブルーレイ出ないんですね。3Dが思ったより売れないからなんだろうけど。 
せっかく3D用の映像表現がたくさんあるのに勿体無い。 
ママたちの扱う麻薬がスローモーっていうんですが、その名の如く、摂取すると感覚がスローになる麻薬なんですよ。 
つまり、スローモーションの多用にちゃんと理由づけしていて、極力、違和感を排しているわけなんですよね。 
当然、それは3Dだからなんだし(飛び出るような3Dはスローでないとキツイ)、2Dだとテンポを狂わせる要素にしか思われないリスクがあると思うんですが。 
あとから3D版を発売するつもりなのかな? 
まあ、インポート版なら3Dブルーレイありますけどね。 
日本語字幕ないけれど・・・・・ 

ブルーレイ画質は、並でした。 
時折、場面によっては暗部に酷くザラつきが目立ちます。今時あまり無い程なのですが、元からこうなのか、こちらのモニター(パナのプラズマ&シャープのZ17000)やプレイヤー(パナのBDT330&パイオニアBDP320)が悪いのか分かりません。 
とりあえず、映像エンジンが優秀なモニターで観ることをオススメします。パナソニックの映像エンジンだと、くっきりしたクリアだなーって感じではなかったです。 
人物の肌の感じとか、物の質感とかは悪くないですね。 

音質は、3.1チャンだと、まあ普通でした。そんなにドッカンバッカンいうような映画でもないんですが。 
銃撃なんかもリアル志向なのかも? 
ただ、7.1チャン仕様だし、11.1チャン対応になっているので、それなりの設備のホームシアターをお持ちなら、きっと半端ないサラウンドが感じられるのではないでしょうか? 

スチールブックのデザインは割と格好良いです。 

追記: 
インポートの3D映像みました。トリップしている場面や、銃撃での血糊や肉片、最後のママの落下なんかは、それなりに3D感ありました。 
距離感のおかしい部分も見受けられましたね。 
メインタイトルが一番、飛び出てる感じが強かったかも。