フレスコの傘

マーサ、あるいはマーシー・メイのフレスコの傘のレビュー・感想・評価

4.0
山奥にあるカルト教団から脱走したマーサは姉夫婦に助けを求め、普通の暮らしを取り戻し始めるが…。

これはなんとも居心地の悪い作品だ。BGMは極力排除されており、淡々と映し出されていくカルト教団員としてのマーシー・メイと姉夫婦のもとで暮らすマーサの日常。過去と現在がシンクロし、マーシー・メイとマーサが混在する。

マーサ役のエリザベス・オルセンの演技が素晴らしく、取り乱し方や空虚な目などどれをとっても上手い。オルセンというとつい上の双子の姉たちを想像してしまうが、彼女は本当にスゴいわ。

謎めいたカルト教団のおぞましさもよく描けており、特に身を浄める儀式と言って教団のリーダーにマーサが眠ったままレイプされるシーンなどは吐き気が出る。それを「みんな体験したことなのよ。虐待ではないしこれは幸せなことなの」と言い放つ女性陣。こんなのただの負の連鎖でしかないではないか…。リーダー役のジョン・ホークスの静かなる狂気がこれまた怖いんだよなあ。

衝撃的なラストは『呪われたジェシカ』のようであると私は感じる。「これが現実に起こったこととはとても信じられない。これは悪夢?それとも夢?狂気か正気か私にはもう分からない」というジェシカの台詞がただただ胸に深く沈むのだ。