Kou

シュガー・ラッシュのKouのレビュー・感想・評価

シュガー・ラッシュ(2012年製作の映画)
3.5
久しぶりに観た『アラジン』に感銘をうけて以来、ディズニー映画がマイブーム。「ディズニー大好き!」と公言する男、個人的に大嫌いなんですがだんだんそうなってきて笑えない。何事もほどほどにしないと…。以下レビューです。



<あらすじ>
アーケードゲームの悪役キャラクター、ラルフの願いは、みんなに愛されるヒーローになること。ある日、ついにラルフは我慢できなくなり、自分のゲームを飛び出してしまう。迷い込んだのはお菓子の国のレースゲーム「シュガーラッシュ」。そこでラルフが出会ったのは、不良プログラムであるためにレースに出場できない少女ヴァネロペだった。嫌われ者のラルフと仲間はずれのヴァネロペ──孤独な二人は次第に友情の絆で結ばれていく。ラルフは”本当のヒーロー”なれるのだろうか?



80年代のゲームマニアにはたまらない作品。世代ではないですがストリートファイターⅡやソニック、クッパなどが一作品に集まるというのは、やはり心躍りますね。作中のピコピコ音というか、ゲーム音も懐かしい。



パッと見『トイストーリー』のゲーム版にも思えるこの作品ですが、本質は全く違います。それは(「悪」のレッテルを貼られたものの哀愁)を描いている点。
「自分がたくさん破壊してもほめてもらえないよ」
「ヒーローなら毎日楽しいだろう」
「俺は悪役、それでいい──今のままでいい」
そんなラルフの台詞からもそれがわかります。
そんな、レッテルを貼られたものがヒーローになるには、そして得た答えとは。それを描いてるのが本作の見どころでもあります。



本作を通してラルフが得た答え。それは(自分が自分であればいい)ということ。ラルフはゲームの中では悪役。それは変えられない。それが役割・仕事だから。
しかしラルフは気づいたのです。たとえ悪役でも、誰か一人(ヴァネロペ)にとっての特別な存在(ヒーロー)であればそれでいい、ということに。最後のラルフの台詞にそれが詰まっています。
「俺は悪役。ヒーローになれないのは悪いことじゃない。だって、あの子を助けることが出来るんだ。」



子供向けかと思いきや、大人も楽しめるテーマを描いたディープな作品。未見の方オススメの良作です。



2019年6月21日 18本目
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