カトコウ

遺体 明日への十日間のカトコウのネタバレレビュー・内容・結末

遺体 明日への十日間(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

震災当時の遺体安置場所となった
廃校の体育館での数日間を描いた作品

ちょうど直前までアンナチュラルを観て
そこでも震災当時の遺体についての言及がされて

話で理解しても、映像で視覚化されると
やっぱり重みが違う

特に開始直後の
日常から非日常に投げ込まれてしまった
それぞれの戸惑いが表情や行動に出ていて

若ければ若いほど
仕事、に従事していても顕著に出てくる

当時自分は大学生で、バイト先のTSUTAYAで勤めていた
かなり大きく長く揺れて、棚が倒れるか不安に思ったほど
そこから震源が東北と聞いて、かなりの衝撃を感じたのを覚えている

東北から東海地方の距離なぞ考えたら本当に怖ろしかった

当事者ならなおさら信じられない出来事だったろう
その中でやらなければいけない。と仕事として自分が出来ることに目を向けていく人々の気持ちを思うと
応援したくなるし

でもやっぱり
その仕事の合間合間で様々な関係性や状況の被害者と遺族が描かれて

ボロボロ泣いた。

泣いたんだが
後半になって棺が揃うことで
だいぶ状況も落ち着いてきてしまうと

非常に申し訳ないが感情面で落ち着いてしまって
ピークを過ぎてしまった感覚にはなってしまったかなと
後から冷静に振り返ってしまえた余韻の足りなさがあったかもしれない


とはいえ、本当に震災の当時を描いた作品としてはしっかりとできていて
教材的映画としてもしっかり残していきたいところなんだが

まー、モデルの人物のこと考えると難しいのかなあ…
あくまで映画作品の前に、原作があり
原作は著者の眼のフィルターを通したモデルの人物のエピソードなので

作品に罪はなく、分けて考えたいところだが
カトコウ

カトコウ