甘味

ザ・マスターの甘味のレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
4.0
レビューし損ねてたやつ今更アップシリーズ。

第二次大戦直後のアメリカ。ホアキン演じる元海兵隊員のフレディはアル中、セックス依存症に加え戦地で受けたPTSDまで抱えてる。そんなどん詰まりでお先真っ暗な主人公と新興宗教団体「ザ・コーズ」のカリスマ教祖ドッド(シーモア・ホフマン)、そしてドッドの妻ペギー(エイミー・アダムス)が繰り広げるヘンテコな三角関係。

PTAがサイエントロジーをモチーフにした作品撮ってるって知った時、真っ先に頭に浮かんだのはやっぱりマグノリアの白ブリ一丁で興奮するトムだったし、何か色々チャレンジャーやなPTA!さすがPTA!って嬉しくなった。
でもいざ観てみると宗教はストーリーにおいて一つの要素でしかなく、ただひたすら人間が描かれていた。(まぁ弱った人間が宗教にハマってさぁ大変みたいなやつをPTAが作る筈ないんだけど)
教祖と信者が徐々に心を通わせ、次第に父子関係のような絆が生まれる。そこに立ちはだかる強烈な嫁。このおかしな人間ドラマを更に変にすべく挟み込まれる妙ちくりんな演出に迷子になる人も少なくないのでは。

パンチドランク・ラブなんかもそうだけど、ストーリーに全く関係ない所で突拍子もない演出したり、やたらアーティスティックな画を放り込んできたり…もはや前衛芸術の域。
そして毎度の事ながら全く共感出来ない人達ばかりなので、観てる側はお口あんぐりさせてただ見守る事しか出来ない。

でも大好きなんだな。意味分からなくたって面白いんだこれが。
言葉に出来ない魅力を感じた時点で、PTAの仕掛けた罠にはまった証拠。これからもずーっと罠にはめられ続けたいわ。インヒアレント~も面白かったし、次回作も期待してまっせ!

追記:ホアキンの留置所での暴れっぷりが素晴らし過ぎるんだけど、役に入り過ぎた彼の演技はPTAも制御不可能だったらしい。後でセットが重要文化財だったって知った時は爆笑した。最高かよ。