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ザ・マスターの盆栽のレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
4.1
神は君を助けるのか


神と自己の存在意義を描いたポール・トーマス・アンダーソン監督作品。かなりビターな作風なので、慣れ親しむことが出来るか序盤は不安でしたが、意外にも時が経つのが早く感じるほど心が侵食される出来でした。

WWII後に帰還兵となったフレディはPTSDを患い、社会に溶け込めない状態。そんな中「マスター」と呼ばれる男と出会い、彼の中で "なにか" が変わる物語。

PTA作品では度々、人と人との「対」の関係や宗教絡みの「神」の定義が描かれますが、今作もその一本。それを見事に体現してくれているのはホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンの演技。外面で孤独なフレディと、内面で孤独なランカスター。この2人の共通点が時に荒れたり、時に重なりあったりすることで、お互いの関係性がいかに歪でありながらも綺麗に構築されているのかがまとまりよく描写されています。

新興宗教の恐ろしさと、一風変わった "男の友情" を満喫するPTA映画でした。
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