ハレルヤ

ザ・マスターのハレルヤのレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
3.7
第二次世界大戦の帰還兵である主人公のフレディ。戦争により精神を病んでいて感情をコントロール出来ないほど。そんな中、新興宗教の教祖であるランカスターと出会い、彼の教えに傾倒して親交を深める。そんな2人の人間関係を描いた物語。

主演はホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマン。この2人なら演技合戦が堪能出来るのは請け合い。まさにその通り。キャスト目当てなら間違いない仕上がりでした。

戦争の影響で不安定な精神状態のフレディ。キレやすくアルコール依存性で密造酒まで作る始末。仕事でもトラブルを起こし、社会にも馴染めない彼をホアキンが圧巻の演技で体現。やはり彼の存在は作品の完成度にも直結するなと改めてその実力を感じました。

そのフレディの救いになる新興宗教のリーダー的存在であるランカスター。新興宗教と聞いたら最近のご時世もありイメージは悪い方ばかり想像しますが、本作では多少の異常感はありますがそこまで極悪な存在ではなく。むしろ生き方に悩むフレディにとって大きな転機になり、良き理解者としての立場。フィリップ・シーモア・ホフマンの重鎮感がよく活きています。

脇を固めるキャストもエイミー・アダムスにローラ・ダーン。当時はブレイク前のラミ・マレックも出演。そういった面々も注目ポイント。

見る前まではもっとサスペンススリラー寄りの作品かと思いきや、意外とヒューマンドラマ寄り。ポール・トーマス・アンダーソン監督の味がよく出た作品という印象でしたね。
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