YoshinobuNarita

ザ・マスターのYoshinobuNaritaのレビュー・感想・評価

ザ・マスター(2012年製作の映画)
4.6
新興宗教に傾倒している人間の心理状態が凡人には理解出来ないわけだが、その感覚をこの作品は見事に体現していると思う。 結局、フレディとマスターを繋ぎとめる不思議な糸は、物語が進んでも全くといっていいほど見えてこない。 逆に不安定感の方が強くなり、ますますその関係に疑問を抱き、中盤以降は張りつめた緊張感を常に感じた。 にも関わらず、その関係はどんどん強固になっていき、最後にはその関係の純粋性に涙してしまった。 意味不明であるが、何か心を捕まされる、まるで10代の恋愛映画のようであった。