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恐怖ノ黒電話のsayaのレビュー・感想・評価

恐怖ノ黒電話(2011年製作の映画)
3.5
暴力を振るう夫から逃げてアパートに越してきたヒロインが、部屋に備え付けの黒電話に何度もかけてくる女性と話すうちに、過去からの通話であることに気づく物語です。
視界の端に何かが潜んでいそうな薄気味悪いJホラー的な恐怖表現もあるので心霊ものかと思っていたら、突然SFサイコスリラーに変わるのが意外性もあって面白かったです。
過去から電話をかけてくる女性の境遇に同情して気を許してしまったせいで、幼少期の自分が人質にされる展開が非常に怖いです。
過去の自分が殺されたら現在の自分も消えてしまうのに何もできないのが歯がゆかったですね。
接近禁止令を無視するような夫から逃げているのに、ヒロインが安アパートで一人暮らしを始めるのは少し謎でした。
親と仲が悪いわけでもないのだから実家に避難すれば良かったと思うんですけどね。
SF映画として惜しいのは、過去改変があっても最小限の変化しか起こらないことです。
女性が幼少期に大きな傷跡をつけられてしまったら、その後の恋愛や結婚もバタフライ効果によって普通は変わる気がするのですが。
ストーリーの完成度は高いのに、殺害場面が全く映らないのもホラーとして物足りなさを感じてしまいました。
せっかく不愉快な登場人物が多いのですから、惨たらしい死に様が見たかったですね。
ラブシーンで急にムーディなバラードを流す演出もちょっと古臭いですよ。
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