イワシ

カリフォルニア・ドールズのイワシのレビュー・感想・評価

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)
5.0
成海璃子は今作について、「いや、むりにDVDにしなくていいですよ(笑)。またいつか劇場で観たいです。この映画こそみんなで観たいな。」と発言していたが、この発言には納得できるところがあって、それは『カリフォルニア・ドールズ』を語る人がよく「多幸感」というワードを使うことにも関係していると思う。終盤、MGMホテルでの試合におけるピーター・フォークは、ピアニストや子供たちを仕込み、ドールズに華美な衣装を纏わせたりするのだが、それまでのピーター・フォークの行いから、これらの仕込みは、真っ当なプロレスの試合進行を不意打ちする行為だということが察せられる。つまり、ここでは映画と観客に「共犯関係」が結ばれるのだ。例えるなら、ドッキリ番組の仕掛け人と視聴者との間に結ばれる関係だ。だがここで観客が片棒を担ぐのは、チャチなドッキリの仕掛け人などではなく、アルドリッチなのだ。勝利のためには、躊躇も苦悩も妥協もまったくみせず、あらゆる手段を講ずる者達のドラマがアルドリッチの映画なのだ。どうせ片棒を担ぐなら、大勢で担いだほうが楽しいに決まっている。