mo

ふがいない僕は空を見たのmoのレビュー・感想・評価

ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)
4.5

『僕たちは、僕たちの人生を、本当に自分で選んだか。』


バイト先の後輩が原作を読み途中らしく、あらすじを聞いたら面白そうだったので鑑賞。


「生」と「性」をテーマに、コミケで出会って不倫関係の高校生・卓巳(永山絢斗)と主婦の里美(田畑智子)、卓巳の友達の良太(窪田正孝)を中心とした人間模様を描いた作品です。
140分の中に不倫、いじめ、嫁姑、不妊、育児放棄、介護、性犯罪…等々、あらゆる社会問題が詰め込まれていて、なんともやるせない気分になりました。


食べて、寝て、セックスして…
他の動物となんら変わらないはずなのに、理性と秩序があるだけでこんなにも息苦しくなるんだから人間って面倒くさい。
本能と理性、相容れない要素を併せ持って生きるのって楽じゃないなぁ。


生まれたときから苦難を強いられている人もいるし、順風満帆な人生から突然墜落する人もいる。
苦難とは人間に生まれた限り通過儀礼のようなものであって、遅かれ早かれ、自力であれ他力であれ、抜け出せて初めて”生きている喜び”を痛感できるものなのかもしれません。


『さんかく』に引き続き、田畑智子の全力な演技が良かったです。
この人はクセになりそうだ〜。




「馬鹿な恋愛したことないやつなんて、この世にいるんすかねー。」

本能が一番出る恋愛で馬鹿になれない人とかつまらないよ。



人生は、どん底に落ちてからが本番らしい。
mo

mo