アンタレス

ふがいない僕は空を見たのアンタレスのレビュー・感想・評価

ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)
3.4
マンションの一室。コスプレをして密会を繰り返す人妻の里美と、学生の卓巳。同人誌即売会での出会いを切っ掛けに不倫関係が始まり、快楽を求め会う日々を送る二人であったが、二人を取り巻く環境は一変してしまう。里美は不妊治療と姑からの行きすぎた言動によって、卓巳は同級生からの告白によって。

人物の視点を変え、更に時系列を遡りストーリーを展開させる手法は良かったと思う。
卓巳とは別に、もう一人の主役とも呼べる良太は卓巳に対してかなり複雑な感情を抱いている。良太自身の周りの環境も重いのだが。ある事情から卓巳が不登校になった際には心配し見舞いに行き、学校に復帰したときには力になり。しかし、卓巳を追い詰めるような行動も取っていて。演じる窪田正孝は、この難しいキャラクターをしっかりこなしていた。
しかし、主役の卓巳を演じる永山絢斗の技量がまったくそれに釣り合わず、台無しにしているように感じた。脚本も悪くないし構成も良かった上、他の演者が皆丹念な役作りや体当たりの演技で魅せているだけに、このキャスティングが余りに残念でならない。
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