ぐっない

ふがいない僕は空を見たのぐっないのネタバレレビュー・内容・結末

ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

もう誰も私を救えないし、私も誰のことも救えない。なんて言いたくない、本当は。途方もない気持ちになる。誰かに寄りかかってしまいたかった。丸ごと任せてしまいたかった。誰も私を救えないし、私も誰のことも救えないけれど、でも、手を繋いでどこまででも逃げることはできる、全部無視して全部知らないふりすることはできる、空だけ見上げることはできる、だからそうしようよ。って言いたくなった。

この原作を読んで泣いちゃって、私はひとつ認めたんです。ずっと認められなかったこと。だから映画も見た。小説で言葉ってすごいなーって思わされたから、映像ってすごいなーって思いたかった。私は原作と映画を比べることが好きじゃない。別として評価しようと思っている。けれどこれは、もうちょっと、できた気がしちゃうな。うーん。


福田がだいすき。窪田くんの演技、とても良かったなー。すごくすごく生きてた。福田でめそめそと泣いちゃった。あんずはもうちょっとブスでデブなはずである。途中で挟まる言葉だけのシーンが、あんまり好きじゃなかった。あと、付け加えられたセリフが、あんまり好きじゃなかった。


しぶといっすよね。にんげん。何あっても結構生きてるし。でも弱っちいなあ、この映画に出てくるひとたち、みんなみんなみんな、みんな弱っちい。でもしょうがない。原作で斉藤が生まれたばっかりの赤ちゃんに対して「やっかいなものをくっつけて生まれてきたね」って言うんだけど、きっとそれは性器だけじゃない。やっかいなものだらけで、なんでこんなめんどくさい生き物にしたんだよって文句言いたくなるけど、それもしょうがない。生まれちゃったんだからしょうがない。もうあとは、生きるしかない。
ぐっない

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