百合

テッドの百合のレビュー・感想・評価

テッド(2012年製作の映画)
-
あゝホモソーシャル
公開当時劇場で見てレンタルDVDで見て最近鬱屈としているのでヒョイとアマゾンで購入してしまいましたソフト版。不思議と何回も見たくなるね
何度も見たくなる映画というのがあるのだが、それはこういうアホエロコメディだったりシリアスな作品だったりするからおもしろい。でもまぁ好きなシーンやセリフがあるものがそういう愛の対象になる気がするな、ストーリーは覚えてしまうから。
本作で好きなのはパーティーのシーン。あとテッドを面接に送り出すマーク・ウォールバーグ。「信用しちゃダメだって!ラリってんだから」が一番好き。
あと昇進させられた時店長に向かって「…アンタ病んでんじゃないのか?」遊ぶ前に手を洗ったほうがいいかな!?と焦る子供に対して「いや、え、…イカれた質問だな」ってのも好きだった。有吉の起用は最高だったと思う。そりゃ上手くないけど。基本字幕派の人間だけどこれは吹き替えで見るよ。
ホモソーシャルの話だと思うわけです。「俺はゲイじゃない。お前もゲイじゃない。」と確認しあうシーンがあるように、ホモソーシャルは基本的にホモフォビアを内包するものなのですが、このふたりは片方がテディベアという特殊性ゆえか、ホモフォビアの出にくいふたりなわけです。よって結果的に連帯は強くなる、恋人はイライラする…。ホモソーシャルとヘテロセクシズムは同居し得ないのでしょうか(男友達とカノジョの両方と仲良くはできないのか?)というわりとよくある素朴な疑問を徹底的に純化させた形といえるかもしれません。本作はテッドも職と彼女を得、主人公は晴れ晴れと恋人と結婚するわけですが。難しい問題だと思います。結局ホモソーシャルはヘテロセクシズムに負けたわけです。ラストのフラッシュゴードンとテッドのツーショット、わたしはとても哀切に感じてしまいました。あのカミナリ兄弟のシーンで終わらないということは、ホモソーシャルの破壊の絵だと思うからです。本当に難しい。テッドが職と彼女を得たからこそ次のフェイズに移行したということは、人間関係の対等な条件を揃えることの重要さとも言えますが。それにしたって虚しい。わたしは延々と男2人がバカやってる絵が見たい。自分が女ゆえのミソジニー傾向のあらわれですが。
あと不気味なライアン・レイノルズ笑った。なにをやってるのライアン…カウチでディープキスしてたのライアン…その不気味な笑みはなんなのライアン…グリーンランタンいじりはやめてあげて…
基本的には笑える映画です。他の方のレビュー読んでると下品すぎて引いたという意見が一定数あって驚くけど。普通だと思ってたこれくらいは…
百合

百合