気になって気になって仕方がなかった本作へ。
なにしろ、うちの家族は、ヒューマンドラマが好き過ぎるのか、変に辛口になるので中途半端な作品は途中でやめてしまう。
そのリスクも踏まえて本作へ。
イギリスの老人と自他共に認識するリタイア世代が、インドの元ゴージャスな建物へ移住し、共に生活するストーリー。
この骨太なキャスティングでなければ、浅いコメディになってしまいそうなほど突拍子もない展開。
インドに転居できる老人である時点で、相当なガッツがあるのがポイント。
インドの生命力の強い風土の中でも、引きこもらず、それぞれなりに環境適応したりしなかったり。
それまでの人生の振り返りもしつつ、恋愛もしつつ、「家族の中でリタイアした老人」として生きるのではなく、あくまでも1人の人間として生きる姿が良かった。
老人にありがちな股関節の骨折も、サラッと乗り越えるし。
昔の恋の清算も、素晴らしかったなぁ。
人種差別主義者が、カースト制に触れて変化するあたりも良い。
かなり骨太なキャスティングだからこそ、「老い」に対する感情表現が緻密で、ある種の「諦観」と「希望」のバランスが良かった。
何より、天然なサニーボーイが、良いスパイスだったな。
これは、第2章も楽しみ。
最後まで観れて良かった。