ファミレスアルバイト店員の中年男に買われた”のぞみ”と名付けられた空気人形が,あるとき「心」をもつようになる。
持ち主である中年男が外出している間に,漂うように街へ出かけるようになる。
そんな中,レンタルビデオ店の店員の青年に恋をし,そのレンタルビデオ店でアルバイトをするようになる。
予告編などを見る限り,人形だったものがバイアスなしに見る世界の中で心温まるちょっといい話を描いた作品なのだろう,と思っていた。大手シネコンで上映されている映画なので,万人ウケする要素をもった映画なのだろうと思って観にいったが,大誤算。
人間の欲望丸出しの姿が露骨に描かれており,人によっては嫌悪感さえ覚えるくらいで,そこまで描いていいの?という印象である。
空気人形も人間も変わらない,こころを持っても踏みにじられる,そんなネガティブなメッセージをもった映画。
確かに,世の中を描くのにキレイゴトだけで済ましてほしくはないけど,ロマンも必要じゃないのか?
(2009年11月3日)