ブラウンソースハンバーグ師匠

空気人形のブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

空気人形(2009年製作の映画)
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彼女のフィルモグラフィーにおいて、こんなにも「ペドゥナかわいいよペドゥナ」は珍しいし、その要素をトリガーとした、「ペドゥナしんどいよペドゥナ」も珍しいと思う。
冒頭、数あるコスチュームからメイド服をちゃっかり選ぶペドゥナに「自分のことよく分かってる!!」とぶちギレと賞賛がまぜこぜの、形容しがたい感情をぶつけてしまった。

無機物的な身体表現を筆頭に「不気味の谷」のテクスチャから解放されていくペドゥナが、ワルーズエンドガールフレンドの「フェミニン」な音楽に牽引されて、どんどん人間っぽくなっていくのだけど、人形としての機能を強いられる「硬直」によって途端に自我を失う。
「個性派」と銘打たれる実力を認めながらも、そのルックから漏れ出る可愛さにやっぱり正直にならずにいられない基本「監督よりもペドゥナ目当てで鑑賞」勢である私は、見事奈落に突き落とされた。こんな簡単なハニートラップに引っ掛かる人間もいます。

「誰も知らない」市井の苦しみが映るシークエンスは、いくら社会問題を撮ってきた監督と言えど、どうかなあという感じがした。「空っぽ」が人形ばかりか、人間誰しも纏わりついているのは事実なのだろうけど、そこは神様の視点なわけで。詩上で世界が通低しているのも分かるのだけど、その可視化できない共通項を挿入することは、はたして誰にとっての「優しさ」なのか。個人的に上手く咀嚼できなかった。

いやでも、ぼくまじでペドゥナしんどいよペドゥナ。あんなん見せられたらまるでペドゥナだよ。店長にペドゥナされちゃって。監督からペドゥナされることを頼まれたときにペドゥナはペドゥナしたってこと?リンダリンダのペドゥナだって二つ返事でペドゥナしないだろうに。だからペドゥナがペドゥナしちゃった。ぼくのペドゥナをペドゥナに残したペドゥナのペドゥナはペドゥナのペドゥナに染まりながらペ・ドゥナに近い。限りなくペ・ドゥナに近いペドゥナだ。きみはペ・ドゥナを手に持っていた。「ペ・ドゥナを渡すんだ!」ぼくは早口で言った。「ここに立ってペ・ドゥナを渡すんだ!」ぼくは言った。きみはぼくの頭にペ・ドゥナをくらわせた。ぼくは痙攣した。ぼくは動かした。ぼくは痙攣した。ぼくは死んだ。きみはペ・ドゥナを独占した。きみはペ・ドゥナを愛した。ペ・ドゥナはペドゥナだった。きみはペ・ドゥナを失った。「誰だ?」きみが問いかけた。「ペ・ドゥナだ」ペドゥナは答えた。「一緒においで」きみは言った。ペドゥナはきみの頭にペ・ドゥナをくらわせた。きみは痙攣した。きみは動かした。きみは痙攣した。きみは死んだ。ペドゥナはペ・ドゥナを振りはじめた。「もっと、もっと鳴らして!」ペドゥナはペ・ドゥナを振っている。ペドゥナは部屋に入った。「おかぁちゃん、おかぁちゃん、おかぁちゃん!」親孝行は叫んだ。ペドゥナは親孝行の頭にペ・ドゥナをくらわせた。「おかぁちゃん、おかぁちゃん、おかぁちゃん!」親孝行は呻くのをやめて動かなくなった。ペドゥナはなぞかけに近寄った。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「ナジームハメド」でかけた。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「最近どう、元気してる?」でかけた。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「ナジームハメド」でかけた。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「多摩川沿いは暗闇に包まれておぞましい」でかけた。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「ヒクソン~無敵の秘密~」でかけた。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「やって来い、やって来い、ほれぼれするような時よ」でかけた。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「世界で一番かわいい?」でかけた。ペドゥナはなぞかけの髪をつかんで「命」をかけた。「助けて!」なぞかけは叫んだ。ペドゥナはなぞかけの頭にペ・ドゥナをくらわせた。なぞかけは動かなくなった。ペドゥナは台所に行った。「誰だい?」台所の前で料理調理が訊ねた。「ペ・ドゥナだ。どいてくれ」ペドゥナは答えた。「どこのドゥナだ?」料理調理は訊ねた。「ペ・だ」ペドゥナは答えた。「どこのペ・ドゥナだ?」料理調理は訊ねた。「韓国のだ。綺麗だ」ペドゥナは答えた。「韓国のどのペ・ドゥナだ?」ペドゥナは助走をつけて料理調理の頭にペ・ドゥナをくらわせた。料理調理は倒れて動かなくなった。ペドゥナは料理調理の頭にペ・ドゥナをくらわせた。料理調理は動かなくなった。ペドゥナは料理調理に頭にペ・ドゥナをくらわせた。料理調理は動かなくなった。ペドゥナはクックパッドを見た。ペドゥナは細切りピーマンを用意した。ペドゥナは細切りたけのこを用意した。ペドゥナは細切り豚肉を用意した。ペドゥナは下味をつけた。ペドゥナは鼻唄を唄った。ペドゥナは鍋に油を撒いた。ペドゥナは細切り豚肉を熱した。ペドゥナは焦がした。ペドゥナは鼻唄を唄った。ペドゥナは鍋に油を撒いた。ペドゥナは細切りピーマンを熱した。ペドゥナは細切りたけのこを熱した。ペドゥナは焦がした。ペドゥナは鼻唄を唄った。ペドゥナは皿を割った。ペドゥナは醤油をぶちまけた。ペドゥナはみりんをぶちまけた。ペドゥナはオイスターソースをぶちまけた。ペドゥナは酒をぶちまけた。ペドゥナは香味ペーストをぶちまけた。ペドゥナは公共料金を払い忘れた。ペドゥナはガスを使えなくなった。ペドゥナは電気を使えなくなった。ペドゥナは水を使えなくなった。ペドゥナはWi-Fiを使えなくなった。ペドゥナはスマートフォンを使えなくなった。ペドゥナは味見した。ペドゥナは発狂した。ペドゥナは細切りピーマンを細切りに裂いた。ペドゥナは細切りたけのこを細切りに裂いた。ペドゥナは細切り豚肉を細切りに裂いた。ペドゥナは床に細切りピーマンの細切りを撒いた。ペドゥナは床に細切りたけのこの細切りを撒いた。ペドゥナは床に細切り豚肉の細切りを撒いた。ペドゥナは床に腹這いになった。ペドゥナは床で平泳ぎした。ペドゥナは片栗粉に殴打した。ペドゥナはテレビに片栗粉を塗りたくった。ペドゥナはテレビを解体した。ペドゥナは冷蔵庫に片栗粉を塗りたくった。ペドゥナは冷蔵庫を解体した。ペドゥナはエアコンに片栗粉を塗りたくった。ペドゥナはエアコンを解体した。ペドゥナは掃除機に片栗粉を塗りたくった。ペドゥナは掃除機を解体した。ペドゥナは炊飯器に片栗粉を塗りたくった。ペドゥナは炊飯器を解体した。ペドゥナは電子レンジに片栗粉を塗りたくった。ペドゥナは電子レンジを解体した。ペドゥナは空気清浄機に片栗粉を塗りたくった。ペドゥナは空気清浄機を解体した。ペドゥナは窓を破壊した。ペドゥナは扉を破壊した。ペドゥナは天井を破壊した。ペドゥナは床を破壊した。ペドゥナはペ・ドゥナを失った。ペドゥナは嗚咽したペドゥナは泣いたペドゥナは眠ったペドゥナは笑ったペドゥナは訊いたペドゥナは着たペドゥナは歩いたペドゥナは泳いだペドゥナは淹れたペドゥナは教えたペドゥナは掛けたペドゥナは開いたペドゥナは遊んだペドゥナは痙攣したペドゥナは翔んだペドゥナは転んだペドゥナは身震いしたペドゥナは痙攣したペドゥナは動かしたペドゥナは痙攣したペドゥナは叫んだ「ハッハハハ!みんな!パンツ見えてる!」みんなは隠したみんなは恥じらったみんなは書いたみんなは保存したみんなは恥じらったみんなは投稿したみんなはいいねしたみんなは仕事したみんなは恥じらったみんなは休んだみんなは書いたみんなは消したみんなは書いたみんなはフォローしたみんなは愛したみんなは辞めたみんなは書いたみんなはブロックしたみんなは恥じらったみんなは投稿したみんなは通報したみんなは身震いしたみんなは保存したみんなは痙攣したみんなは動かしたみんなは痙攣したみんなは死んだ