勝沼悠

空気人形の勝沼悠のレビュー・感想・評価

空気人形(2009年製作の映画)
5.0
 中年男が偏愛するラブドールがある日突然、心をもって動き出した。彼女はレンタルビデオ屋でバイトして一人の若者との距離を近づけていくが。。。

 空気人形役のペ・ドゥナが本当に人形みたいだ! 配役や音楽が見事なまでにマッチしてる。空気を入れるシーンがまさにそうだが、ファンタジックでエロチックで感動的でという普段は一緒に感じることのない三つの感覚を濃厚に味わうことができる。
 確かに人はどこか空っぽで、誰かに替えがきく代用品だ。のぞみや登場人物達の一つ一つの言葉は多くの人の強い共感を得られるはずだ。

 「そして父になる」で盛り上がってるところにこの映画の話題なんか出したらきっと変な奴と思われてしまうだろう。でもこの映画は日本映画史に残る名作なんだと叫びたい。
勝沼悠

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