信頼する是枝監督作品の中であえて避けて来た本作。
無料配信ありがとう。
やはりコメントし難いとこにボール投げてきたね〜
と言うのは、是枝作品に対する大きなイメージ【僕も含めて】に、
「社会的弱者に向けられたヒューマンなドラマ」というのがあると思う。
本作でもそれは貫かれているんだけど、これをモチーフにしてきたか?!て感じ。
この例えが合っているかわからないけど、
男性ディオのケミストリーがデビュー以来バラードを歌い続け、ちょっと煮詰まってしまったように、根底のテーマは同じでも、曲調は変えていきたいって思いはあったのでは?
是枝さんも、「家族」「弱者」を描くのに、バラードでなく、意表を突いた変奏曲?で来たのかなって。
無生物が意思を持つ。
このやり方は、スピルバーグの「AI」から昨日見た「プーさん」まで数多く見ていたが、「性欲処理の空気人形」が扱われたのは初めてなんじゃないだろうか。
まず、この題材だけで、ひいてしまう、受け付けない!っていう人も少なくないはず。
あえてのこの題材。だからこそ、性的な描写というのは避けられない。これも是枝作品にはあまりなかった点。
今回、空気人形としてのセックスシーン。特に空気を入れていく場面の恍惚感がとてもよかった!
あとで触れるけど、主演のぺ・デゥナをキャスティングしたこと【日本の女優さんだだったら、もっと変な雑味が出てしまっただろう】
彼女のたどたどしい日本語、たどたどしい手足の動かせ方、
そして、このシーンでの無機質なプラスチックな感じから、肉感の感じが出てくるエロティシズム。
今まで見たことのないセックスシーンだった。
本作を語る上でキャスティングの妙、いつも是枝作品はそうなんだけど、役者さんのチョイスと配置がいいよね。
井浦新の無機質な感じとか、この人以外にない!でしよ!空気人形に語りかける哀しい男、板尾釧路。
そして、さっき書いたけど、
主演のぺ・ドゥナ
この可愛らしさ、そう!空気人形としての無機質な可愛らしさ
目や動き、あるいは動かさなさ、
もちろん是枝演出なんだけど、それに応えた彼女も素晴らしい。
カメラも全体的に、ローから左右にゆっくり振れて写すなど本作の空気感を表しているように感じた。
ただ、、、異色の、あるいはかなり冒険的な題材のチョイスは大いに評価したいのだが、それが成功したか、
というより、僕がどっぷり浸れたかというと、、、、
僕は最終盤の展開への引っ掛かりがあり、
あなたに変わるものはないかもしれないけど、生きていくしかない、切ないね、
っていう作品のテーマに、身を委ね損ねてしまった。
そこはネタバレのコメント欄で、