もこぴよ

空気人形のもこぴよのネタバレレビュー・内容・結末

空気人形(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

登場人物のそれぞれの“からっぽ”に共感したし、個人的にじゅんいちが“彼女”の空気を抜き息を吹き込むことを繰り返すシーンは、じゅんいちの中にある過去を物語るような場面で、なんとも言えない気持ちになった。
“彼女”の生みの親が、「君の見てきた世界は苦しいことばっかりだったか?綺麗なものもあったか?」と投げかけそこからの2人のやりとりで涙が出たし、おじいさんの手が冷たい人は心があたたかいという言葉に涙をうかべる彼女に涙した。

作中で、おじいさんから聞いた詩を心に刻見込むように日々を送っていて、この詩が、ラストのたんぽぽの綿毛(種)を風(彼女の中の空気)が運んでいるところで回収されているのがすごく素敵だと思った。

本当にペ・ドゥナの透明感と美しさが際立った作品。
初めて知った世界に感動し、軽やかに、喜びや悲しみをあらわす彼女が本当に可愛かった。

個人的にはエンドロールの時の曲に秒針の音が使われてることすらも、生命、を感じられて、緻密に構成されてると思った。

念願叶って観られて良かった!
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