【家族愛から縁を切れ】
ロードショウで見ようかどうしようか迷ったあげくに見ず、結局DVDにて鑑賞。
最初の当たり、かなり荒唐無稽な展開で、極端だけど邦画にしちゃなかなかやるじゃないか、と思いました。
ただ、その荒唐無稽さが単調なままに繰り返される印象で、もう一つ深まらないというか、視野が開けてこない。
変な人間ドラマを入れない方がよかったと思う。湿っぽいのが邦画の難点なのだから(湿っぽさで徹底するならともかく)、もっとドライを追求して欲しかった。母親だとか、妻だとか、孫娘だとかになると、みんな例外なく家族愛に行っちゃうんだね。凶悪犯役の藤原竜也までそうなのには、いささかうんざり。一人くらい、「母親の顔なんか見たくないし二度と会いたくもない」って奴がいてもいいんじゃないの?
あと、松嶋菜々子の役どころが、ちょっと難あり。勤務にスキがありすぎる。
それと、細かいことで済みませんが、彼女はあの年(子供の大きさからして三十代半ばにはなっている)で巡査部長。ということはキャリアじゃないでしょう。或いは、シングルマザーだということでキャリアをはずれたのか。だとすれば子育てがあることに配慮した勤務というのが条件になっているだろうから、いくら腕が立つとはいえ、ああいう特殊勤務に使いますかね。キャリアなら別で、家族のことなんか考慮せずに難しい任務をさせられるだろうけど、だったら少なくとも警部補くらいにはなってるんじゃない?
それにしても、菜々子さんも短髪のおばさんをやるようになっちゃったね。『恋と花火と観覧車』や『リング』の頃が美しさの盛りだったなあ・・・・。花の命は・・・