たま

君と歩く世界のたまのレビュー・感想・評価

君と歩く世界(2012年製作の映画)
3.5
マリオン・コティヤールとマティアス・スーナールツ共演に胸が躍る。

マリオン演じるステファニーはBFがいながら男漁りをしたり、マティアス演じるアリも行き当たりばったりでSEXして、どちらも愛とか恋とかには無縁という感じ。

さすがフランス/ベルギー映画だけあって、ステファニーの行動の訳や、何故アリがシングルファザーなのか語られないので、想像に任せるしかない。

マリンランドでシャチの調教師として働くステファニー。仕事に誇りを持っていたのに、思いもよらぬ事故で両足の膝から下を失う。

人生に絶望する中で、同情や憐れみが追い打ちをかける。
でもアリは特別だった。

アリは子連れの無職で姉の家に転がり込む。仕事の傍ら格闘技で稼ぐ。粗野で自己中心的、息子のサムとの接し方も分からない。

ところがステファニーの膝から下が無いことを全く意に介せず、海岸に連れ出し泳ぐことを勧めるたりする。
そしてステファニーが性的にもまだ機能するのかも確かめる手助け(?)をする。

そんなどこか普通の人とは一線を画した率直なアリの存在がステファニーには特別だった。

アリの純真だけど単純、愛情深いけど不器用さにハラハラさせられる。

格闘家としての成功を掴もうと努力しトラブルから脱する事が出来るのか?と思った矢先に…

かなり湾曲した恋愛映画。
それが愛なのか、ただの癒しなのかの境界線を行き来する。
不器用すぎて極限の中でようやくそれに気付く。

2人の存在感が凄い。ステファニーの脚を失くした時の絶望感やアリの瞬時にキレる演技が印象に残る。

それにしてもマティアスは下層市民の役や、ボカシの入った映像が多いなぁ‪w。
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