カテリーナ

君と歩く世界のカテリーナのレビュー・感想・評価

君と歩く世界(2012年製作の映画)
4.2

「ヒトの手の骨は27個 サルはもっとある ゴリラは32個 親指に5個
手や足を骨折するとやがてカルシウムが患部を覆う より頑丈になることも だが決して元の状態には戻らない 戦うたびにそのことを考える 細心の注意を払う だかいつか再び痛みが襲う 針で指すように
ガラスが割れるように」

映画のラストシーンを見つめながらアリの行く末を案じていました
もし戦いの最中に痛みだしたら? 爆弾を抱えながらそれでも戦い続けるの?

アリは心の優しい人だけど、物事を軽く考えてしまうから
とり返しのつかない事になってしまうの。カッとなって相手にすぐ
手を上げてしまう 隠しカメラの取り付けの片棒を担ぐような形になったアリに事件が降りかかります。アリのお姉さんが解雇され、隠しカメラの部品を片付けようとしていたアリを写真に撮っていた同僚がいたのです。お姉さんはカンカンに起こりアリに
おまえのせいでクビになり路頭に迷う事になると責めます
その時始めて自分のしでかした事に後悔するのです。そしてその後
アリは姿を消し一人北へと向かいます。やがてアリの息子が訪ねて来ますがそれが悲劇の始まりになるとは思いもよりませんでした。

フランスのドラマは人物描写がとても丁寧で小説を読んでいるようです。シャチの調教師のステファニーが両足を切断する事故に合い、生きる事に絶望した様子やアリに会ってから少しづつ明るくなって行くステファニーがとても良いです。心情描写は丁寧だけどあまり説明的で無いのも良いです。
アリがステファニーに接する時はあまりにアッサリしていて唖然としますが、気を使われ、腫れ物に触るような周りにうんざりしてた
彼女は彼の誰に対してもフラットな所に救われます
南仏の眩しい太陽の下フテファニーが泳ぐシーンは気持ち良さそうでしたね。 波はキラキラと光り
彼女の身体を優しく包みます

久しぶりにフランス映画に浸れて幸せな気持ちになりました。
その反面、アリの最後の独白には
胸が詰まりました。
ボクサーとして致命的な怪我を負ったその理由が何とも皮肉なものでした。

幸福を掴んだかにみえるステファニーとアリですが、何時までもつきまとう暗い影を拭いさることは出来ないエンディングでした。