Oppania

岳 -ガク-のOppaniaのネタバレレビュー・内容・結末

岳 -ガク-(2010年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

おもろくなくはない。

原作未読。駄作にありがちな、「全身怪我してるのになぜか顔だけきれい」みたいなことがなく、女優も容赦なく鼻血とか出してて良かった。そうそうこれだよこれみたいな。あまり過剰にしても女性や子供は引くだろうし、大衆向けの作品ならこれぐらいが適当だと思った。
あと、小栗旬はうまいこと演じたなと思う。奇人を表現できていた。そこに脚本的な説得力があるかどうかは別として。
邦画なのに恋愛要素を無理矢理入れなかったのはよかったね。
ラストに以前救助した人と雪山で再開してウオーとかわーいとかやってるシーンが一番好き。(そういうテンションが好きなので)

邦画だしやはりというべきか、小さな音で演出する場面の音量が極端すぎる。聞こえねぇって。わざわざ音量上げたり巻き戻すほどの映画でもないし全部聞き飛ばした。ラジオのシーンとかマジで何言ってんのか分かんない。おまけに長いし。
あと、ヒロインに対するヒーローである「さんぽ」さん(小栗旬)の超人ぶりがリアリティに欠ける。原作がどうなのかは知らないが、特に違和感を覚えたのは、何度も雪崩に巻き込まれたのに生きているという描写と、猛烈な吹雪でホワイトアウトしているだろうに方向を見失わず雪山を歩いている描写。自分は登山未経験だが、前者はともかく後者は可能なのか?コンパスを使っている描写もなく、普通にエスパーかなんかだと思った。
あまりの超人ぶりに、「どうせ目を覚ますんだろ?」とか「どうせ生還するんだろ?」とか展開が読めてつまらない。それだけに、クレバスの底で壁にピッケルを突き立てたまま心停止しているヒロインの姿が盛り上がってるBGMの急停止と共にバーン!!って出たところは結構、かなり好き。まぁすぐ息を吹き返すわけですが。あそこで3人そのまま死亡とかだったら3.2点くらいつけてた。

全体的に詰め込みすぎな印象。女性客に感情移入させたかったのか?訓練のくだりや子供のくだりはいらなかった気がする。崖や岩場でそれなりに人がぽんぽん死ぬが、雪山では結局全員助かった(よね?)のでいまいち山の恐ろしさが伝わらない。負傷の予後も描写されなかったし。岩場の恐ろしさは伝わったが。

長いから友達とツッコミながら見るのにもおすすめできない。絶対途中で「…別の映画見る?」ってなるやつ。
もう一度見るかと言われたら見ない。「やっぱり邦画は邦画だったよ。他の山岳映画見るよ。」って言うと思う。多分。
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