五十

カルトの五十のレビュー・感想・評価

カルト(2012年製作の映画)
3.8
史上最強の霊能者“ネオ”の存在感とカッコよさ!!!


「ホラー映画」とは銘打ちつつも、数々のユニークな作品を世に送り出してきた白石監督ですが、本作はその一つの到達点と言えるでしょう。


例のごとく、フェイクドキュメンタリー作品です。
物語はあびる優ら3人のタレント達が、怪奇現象に悩まされるある親子のお祓いに密着取材するところから始まります。
(ちなみにこのあびる優の演技が自然でとても良い)

しかし、ある理由からお祓いは結局失敗し、怪奇現象はエスカレート。
終いにはお祓いをしていた霊能者まで謎の死をとげ…。
もう事態は誰の手にも負えなくなってしまっていた……。

ここまでが前半です。
まぁ、普通のホラーならこのままバッドエンドなり謎の感動話に繋げるのがセオリーなんでしょうが、白石監督はここで「ヒーロー」を登場させるのです!!

その名もネオ(仮名)!
金髪でちょいチャラで黒い服に身を包んだオレ様系イケメン最強霊能者だ!!
彼は他の霊能者と違って装束は着ない!!
彼曰く、「俺は神は信仰しない。この力は俺のもんだから。俺は俺を信仰してるよ。」だって!
カッケ!!

んでもって実力もマジ半端ない!!
先述した死んじゃった霊能者(この人も結構強い設定)が苦戦してた怪異もちょちょいで解決!!
推理力も冴え渡ってて怪奇現象の元凶を突き止めちゃう!!
もうお前前半からいてくれよ!


、とまぁこんな感じで後半からはネオ様の登場によって作品の雰囲気がガラッと変わることになるわけです。
これも白石監督の特徴ですよね。
途中で物語の方向性、ひいてはジャンルがガラッと変わるっていう。

最後は連載漫画の打ち切りみたいな感じで終わりますが、これはこれで良かった。
が、続きが観たい!!


余談ですが、白石作品には霊能者や呪術者といった人たちが出てきますよね。
本作を観ていて、白石作品の中で誰が一番強いんだろーとか、あいつとあいつが協力すれば超強いんじゃね⁉︎とか考えてましたが、こういう風に番付できるバトル漫画的なところも魅力だと思います。
五十

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