TAK44マグナム

ロンドンゾンビ紀行のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ロンドンゾンビ紀行(2012年製作の映画)
3.0
なんなんでしょうね、この邦題は・・・? 
ロンドンがゾンビに襲われるので正解といえば正解ですがね紀行って・・・邦題つける時の苦労が忍ばれる馬鹿タイトルですね。 

本作は、あの超傑作ゾンビコメディの「ショーンオブザデッド」の影響下で作られた、同じく英国産のゾンビコメディ映画なのですが、コメディというほど笑える映画ではありません。 
けっこうシリアスな雰囲気がプンプンと漂う映画です。 

老人ホームのおじぃちゃんたちが、のろのろとしか動けないロメロ型ゾンビに襲われて、のろのろ対決をする・・・というアイデアが肝になっているんだと思うのですが、あまりそれが機能しているとは思えないんですよね。意外とおじぃちゃん・おばぁちゃんが真面目なキャラが多いからなんじゃないかな? 
唯一、歩行器使わないと歩けないおじぃちゃんと、ゾンビの追っかけっこは大きく笑える場面でしたけどね。 

実質的な主人公は、老人たちのリーダー格であるレイの孫たちだし、しかも物語後半に若者と老人たちが合流するまで、若者側と老人側の視点を交互に描いているので老人側の描写が希薄になりがちで、せっかくの老人VSゾンビというアイデアが活かされていない結果に。 

まあ、実は、ジャケットや宣伝から思い描くイメージよりも真面目な雰囲気の映画だったってことです。 


気に入った点は、B級映画にしてはゾンビの物量の多さや、思いのほか気合のはいっているゾンビメイクやエフェクトの質です。 
ゾンビについては、やたらと頑張っている印象。 

あと、戦うヒロイン役のミシェル・ライアン(テレビドラマ「バイオニックウーマンで主人公役だった)のキリリとした感じが好きですねえ。 
凛とした表情が素晴らしく、ガンアクションもキマってます。 

更に、やたらとゴツイ銃火器で完全武装した若者&老人チームの脱出劇は、コカ・コーラのようにスカッとした気分にさせてくれます。 


映像特典に収録されている「ゾンビ学校」とは、500名以上が参加したという本作のゾンビ役の皆さんに、「ゾンビ役の心得」を教える教材ビデオだったりします。 
ジョークだったとしても、これからゾンビ映画にゾンビとして出演してみたい人には必見の教材と言えるでしょう。


セル・ブルーレイにて