まりぃくりすてぃ

ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空をのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

4.3
のん(能年玲奈)主演。『この世界の片隅に』の熱狂の、片隅の片隅のそのまた片隅で黙殺・蹂躙されつづけるオキナワ。喰らえこれを、日本国。
ちゃんと脚本執筆に沖縄人が加わってて、子役をはじめキャストの何割かがちゃんと沖縄人。ゆえに、喋り方等々に嘘臭さが少ない。そのことだけで佳作の確信を一つ抱けた、そんな自分自身が私には心強い。
ただし、ヒマワリの扱いは、ここで淡い。駐留軍基地被害の生き死にの中で花が弱い。でも、充分に泣けたから。喰らえ、クライマックスの足踏みを、戦争屋。
のんと須賀健太の恋愛ラストは、ヒマワリに程遠いがキンポウゲ程度にはオブリガートだから、見て痛がるよりも和(なご)もうね、私たち。精一杯の工夫(らしきもの)を喰らってあげようじゃん。
それと “音楽だ、音楽芸能で戦うのは間違いじゃないんだ”! 長塚京三は三線・演技ともに完璧だった。


さて、昨年(2019年)の10大ニュース
① 首里城焼失
② 新元号のマリの予想が外れた
⑩ マリの行きつけの美味しいハンバーグレストランが火事で閉まっちゃった
京アニのもあったけど、①⑩がとにかくショックだったな。。

昨年末12月に私は久々に沖縄に行ったよ。暑い日は泳げて、悪天候に恵まれた日は板借りて波乗り。寒くてホテルでは暖房焚いたよ。で、沖縄人の友達が大勢(♂♀込みで58人ぐらいかな。パリピ含む)いるんで、連夜飲んで歌った。
そんな場で、辺野古問題について一人一人に「今はどう思ってる?」とか訊くのは、イケてない。だから代わりに「首里城のこと、ほんとショックなんだけど?」とお見舞い言葉を向けまくった。
そしたら沖縄人たちは口々にこう。「全国から集まった募金は、首里城再建よりも、千葉の水害の人たちのために使うべきじゃないの? 何だか申し訳ない」。
こういう心根の沖縄を、本土の者たち(アメリカの属国ジャパンに棲む上級奴隷たち)が最下層民扱いしつづけてるんだよね。ほら、最上級奴隷にすぎない自民党のやつらとか官僚とかは、反省はしなくていいからさっさと滅べ。
「辺野古の海なんてどうなっても興味ない。それより普天間を今すぐ失くせ」って言っちゃう沖縄人もいることはいるよ。確かにいる。その一方、読谷村の居酒屋で二十歳前後のカワカワイイ女子たちが「沖縄はアメリカに属するべき?」「中国に? これはムリ」「このまま日本に?」と冗談を超えて論じ合ったりする夜もあったりするんだ。こんなこと東京に今いる人間は想像しきれないはず。
辺野古の件は、沖縄の人たちの希望通りにすべきでしょ。北海道から鹿児島までのすべての日本人は、沖縄の第一希望だけを真摯に聴きなよ。肯定しなよ。他人事だと思わずに! 沖縄のことは沖縄自身が決めればいい! それこそが「民主主義」なんじゃないの? 民主主義=多数決主義じゃないんだから絶対に。
沖縄県一県に国防の重大選択を押しつけてる時点で日本人は全員、猿だし。切腹するために生きた森田必勝、以外の日本人が「愛国。国防」を口にすることは私が絶対に許可しないし。
まるでプールぐらいに長い、全長25メートルぐらいの軍用ヘリコプターが空から降ってくる恐怖って、、、、、、


さて、生粋の大和撫子の私は、年明けて日本のお正月を祝うために実家(母のとこ)に兄家族とともに集まった。
兄嫁に「マリちゃん、お琴弾いて」と一年ぶりにやっぱり言われちゃった。スーパーや商店街で必ず正月のたんびに流れてる『六段』しか弾けない私だが、『六段』さえ弾ければこうして喜ばれるわけなのだ。日頃から私を恐れつつ尊敬してくれてるみたいである年上の兄嫁に期待されれば、そりゃ一年間一度も触ってない琴を奥の部屋から引っ張りださないわけにはいかない。
だが、重いお琴を袋からごそごそ出して柱をのろのろと立てて調律しようとしたら、爪が見つからない! 爪がなきゃ『六段』はとても弾けないじゃん!
苦渋の果て、私は平調子の弦を急遽ドレミに律し直し、弦二つだけを指と自分の爪だけで、、、、何かやろうとして、、指腹だとこういう鋭い甘い小音なんだよね、、、、百円玉を(あのブライアン・メイのみたく)ピックにしようとしたけど、とても扱えず、、、、ふと、、ドン、ドン、パッ。指で無造作にシンプルに弾いてみた。弦二つを。えっ? ドンドンパ? これは、つまり、、、『六段』的でもありつつ、、、、、あの“ドンドンパッ”なら、、と思いついちゃったのだった! そう、QUEEN の We Will Rock You をやることにした!!
単音二つ。何て楽な伴奏なの。おそらく世界初、私が琴でドンドンパッの超カンタン伴奏つけて兄嫁に「ラララララーララ」と(恥ずかしがるのを脅して)スキャットで歌わせることにし、コーラス部分( We will we will rock you)は兄嫁・兄・私で声を合わせた。酔っぱらってるから気持ちも息も合った。
何とかそういうのが成功しそうだったので、甥(兄夫婦の子・五才)が舐めてた縦笛を兄が取り上げて、ラストのギターソロフレーズは兄が吹くよう私が命じた。甥っ子はタンバリン係。
兄がうまく吹けるまでリハを繰り返したところに、雑用から戻った母(えくぼのない乙羽信子)登場。元ロジャー・テイラー熱狂ファンの母が「ラララララーララはないでしょ」と歌詞省略に苦言を呈した。
で、英語をちゃんとみんなに歌わせようということで母は書架室からわりとすばやく古いLPレコード『世界に捧ぐ』と『グレイテストヒッツ日本盤』を持ってきて、中に入ってた歌詞の紙を私たちの前に並べた。文字が小さすぎるので、母は大きなカタカナで白紙に大書した。そ、そんなに好きなの? その間、兄はソロ笛の練習に余念なかった。
さあ、父の遺影のあるリビングでそのまま一族五人による新年早々の We Will Rock You 合奏大合唱が始まったのだった。

気持ちよかったから二度演った!
甥っ子は踊り役も担った。
みんなで拍手した後、私がちょっと痛い右手でバーン、ジャーンと指爪を滑らせたら、複音と轟きがピート・タウンゼント+キース・ムーンみたいになった。調子に乗って私は『ピンボールの魔術師』のイントロなフンイキを琴で出してみせた。不完全だけど。

ところで、甥っ子は、まだ幼稚園児のくせに、私が「おねえちゃんと一緒に温泉(スーパー銭湯)に行く?」と言ってあげるたびに「源泉掛け流しじゃないなら行かない」と拒むマセガキだ。
マセガキ率高い国家のようだから、日本の将来は意外に明るい。


shibamike流七段マリ 歌会始め
「“ロックしてあげる” とみんなで平和な日」
(季語/ロック→6→7→七草→春)