MohnTesla

東ベルリンから来た女のMohnTeslaのレビュー・感想・評価

東ベルリンから来た女(2012年製作の映画)
4.1
田舎道を自転車で走るブロンドの女性
ザワザワと強風で揺れる木々が彼女の揺れる心と東ドイツの実情に対する殺伐とした感じを表しているようで鳥肌がたった
この映画の魅力はそんな中凛々しく自転車を漕ぐ主人公バルバラの逆境に対する真摯な姿勢と医者の鏡のような良心をもつアンドレの正義感に似た優しいバルバラへのアプローチだと思います
でもラブストーリーとは言い難いところがまた連合国統治時代の東ドイツという舞台背景を際立たせていて良かった
それに私の勝手なドイツ人女性のイメージにバルバラがぴったりはまってました
クールなテンションでとても論理的なところが好感もててかっこよくてとても観やすかった
「海は嫌いなの、また明日」のバッサリな断り方は効果的過ぎるし
言い返す言葉が見当たらないアンドレの顔と「さよなら🙁」が可哀想でくすぐったい

題名から勝手に「"西ベルリンに"東ベルリンから来た女」って思って見始めてたから連合国統治時代のドイツの事情を知らないと、もしくは想像して補わないと置いていかれるストーリーなのにさらにややこしくしてしまったバカな私☺️

「ベルリンの壁」と言えば誰もが知ってるけどまさに資本主義VS社会主義の経済対決が1つの国で実験場のように行われていた感じが歴史って本当に面白いなって思います
でも面白いで済ましたらいけない部分があって
それは人間の歴史には犠牲がつきものってことで
本作では社会主義側の東ドイツが舞台
まさかここまで殺伐としてるとは思わなかった
主人公の経歴もあるからだろうけど作業所の実態とか全く知らなかった
「東から西へ逃亡する人々」という社会の教科書の一文のさらに奥深く
東側のずさんな実態を少し知れます

〜以下ネタバレ〜

そういえばレビュー書いてて思ったけど
最後のシーン「海は嫌いなの」って言葉何気にキーワードになってる気が
あと「え、ちょ。これで逃げるの????"ボート"って言ってなかった?真っ黒のおじさんとこの心細いエンジン音なんなん??」ってなったのと
ステラの「バルバラ!」が「(ほんとに大丈夫これ?!)」に聞こえた人は
私以外にもいるはず

あとララランドもそうだったけど目を合わせあって言葉のいらない感じの
2人にしかわからない何かを共有し合った顔で終わる終わり方大好き