くまちゃん

悪人に平穏なしのくまちゃんのレビュー・感想・評価

悪人に平穏なし(2011年製作の映画)
3.1
ホセ・コロナドの顔面がバイオレンスアクションな雰囲気を漂わせているが、ゴリゴリのサスペンス映画。アクションはラストのみ。

マドリード列車爆破テロ事件から着想を得たという今作。
バルでの殺人事件、麻薬密売組織との関連、イスラム過激派の影、様々な要素が絡み合い、テロへと帰着する。
テロ事件を中心に据えながら、じわじわと周囲から滲むように核心に迫る脚本の妙。
ただ、全体的に一定のテンポで話が進み、劇的な展開もなければBGMも少ないため映画として少々平凡で物足りなさを感じた。

サントスがバルでの殺戮の後、自室でソファに腰掛け人差し指に拳銃をぶら下げている。
ラストのテロリスト殺害後も同じ構図である。
彼は何を思い描いていたのか。
サントスの行動原理には一貫性がなく、
何をしたいのかイマイチわからなかった。
バルで殺人を犯し、証拠隠滅の過程で見つけた大きな犯罪の影。それを一人で捜査する。サントスには何のメリットもない。結局何したかったの??🤔

というか、テロリストのアジトにどうやって辿り着いた?見逃した?

??

ハードボイルドで誤魔化してる部分は強いかもしれぬ。

イスラム過激派組織が消化器で即席爆弾を作製している様子は、非常にリアリティに富む。
テロは未然に防がれたが、即席爆弾と入れ替わった消化器からの情景に背筋が凍った。いつ何時この何気ない日常という幸福を奪われ失うとも限らないのである。
軽くワンハリのような印象を受けた。
ダークなワンハリ。

渋いおじさんが飲むお酒はなんとも美味しそうに見える。
一度はバルでラム&コークを頼みたくなる。そんな映画。
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