リッキー

ゼロ・ダーク・サーティのリッキーのネタバレレビュー・内容・結末

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「デトロイト」を鑑賞して、かなりの衝撃を受けたため、同じキャスリン・ビグロー監督の本作品を選択しました。

内容は非常にシンプル。2001年の同時多発テロ(9.11)の首謀者、ウサマ・ビン・ラディンの行方を追うCIA支局の物語です。
本作は「ジェロニモ作戦」(ビン・ラディン暗殺作戦のコードネーム)をリアルに再現しています。この作戦に正当性があったかについては、今も議論がなされており、さまざまな意見もあるでしょう。ですから、この点に抵抗感がある人にはお薦めしません。

内容は終始ずっと緊張した重い雰囲気です。戦闘シーンも特に無く、テロリストへの尋問、拷問を交えた取り調べも空振りで終わり、CIA捜査官達がピリピリしています。実際もこのような雰囲気だったのではないでしょうか。

最終的にビン・ラディンを殺害できたとはいえ、イスラムの戦士たちがアメリカに降参する訳もなく、米軍の掃討作戦とアルカイダによる反撃は今も続いており、報復の鎖は途切れそうにありません。

作戦終了後、主人公のCIA捜査官マヤは、アメリカに戻る軍の輸送機の中でパイロットに「どこへ行きたいんだい?」と聞かれますが、何も答えず、唐突に涙を流します。

何とも言いようのない空虚感が伝わるエンディングでした。
リッキー

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