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ゼロ・ダーク・サーティのYYamadaのレビュー・感想・評価

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)
3.8
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈9.11アメリカ同時多発テロ事件【3】〉
 ~テロ首謀者の捕縛 / 2011年
・場所: パキスタン
・人物: CIA

〈見処〉
①アメリカCIA執念のオペレーション
・『ゼロ・ダーク・サーティ』は、オサマ・ビン・ラディンの殺害に至る経緯と、作戦に挑む特殊部隊を描いた2012年のアメリカ合衆国の政治映画、サスペンス映画。
・監督は、イラクでの爆発物処理班の任務を描いた『ハート・ロッカー』(2009)にて、
第82回アカデミー賞にて作品賞、監督賞など6部門を制している、(ジェームズキャメロンの元妻)、キャスリン・ビグロー。
タイトルは、米軍隊の俗語で「深夜0時30分」つまり作戦実行の時間を指している。
・2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカ中央情報局(CIA)は巨額の予算をつぎ込みビンラディンを追うが、何の手がかりも得られずにいた。
・そんな中、CIA分析官のマヤ(ジェシカ・チャステイン)は、2003年にCIAパキスタン支局に配属され、テロ事件の資金調達者とされるアマールを尋問し、ビン・ラディンの連絡係の名前を検知。その情報の信憑性を疑いながら、膨大な情報の解析から、アブ・アフメドの本名を割り出し、その居所がパキスタンだと特定された。マヤはこの屋敷にビン・ラディンがいると確信し、2011年5月を迎える…。
・本作は2011年5月2日に実行された、国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン捕縛・暗殺作戦に携わった人々の苦悩や使命感、執念を描いている骨太の作品。そのリアルな描写に対して、アメリカ合衆国大統領選挙のプロパガンダではないかと揶揄された。
・主人公のCIA女性エージェントを演じたジェシカ・チャステインは、第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、第70回ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞した。

②結び…本作の見処は?
◎: 結果はわかっていても、終盤のオペレーションは、リアルタイムの秒数に近い描写で緊迫感が半端ではない。最後のマヤの涙は、重圧からの解放感からなのだろうか?
○: アメリカとCIAによる「9.11」に対する執念が描かれている。骨太なドキュメンタリー風の作品である。
▲: 天下のCIAであっても、意外に官僚的で物事があまり進まないことがわかる。
▲: 娯楽性が低く、上映時間が長い。
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