とどのまつり

チチを撮りにのとどのまつりのレビュー・感想・評価

チチを撮りに(2012年製作の映画)
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「湯を沸かすほどの熱い愛」中野量太監督の長編デビュー作。長さが1 時間ちょっとと丁度よかったので鑑賞。
まずもって題材がすごくいい話だし、いたるところに張られた伏線(万引き、米、エリート、まぐろetc)がしっかりこの短い時間の中で回収されていて、ストーリーの進め方も申し分ない。だけどどことなく人工的な感じがしてしまう。化学調味料をふんだんに使ったCookDoの料理を食べさせられている感じ。脚本(セリフ)もカメラワークも音楽も不自然で作為的な印象を受ける。「湯を沸かすほどの熱い愛」も感動してくれと言わんばかりの詰め込み具合にいまいち乗れなかったことを思い出した。劇映画なんだからそりゃ少なからず作り手の作為的な部分は出てくるし、お涙頂戴で結構なんだけど、個人的にはもっと自然な演出が好み。
素直に乗ったり感動したりできないのも心が汚れてる感じがして何だかすごく嫌だ。