ベイビー

チチを撮りにのベイビーのレビュー・感想・評価

チチを撮りに(2012年製作の映画)
3.8
73分という時間的な見やすさで選んだ作品。

二十歳の姉と女子高生の妹が主役の物語。演じられたのは二人とも無名な女優さんで、お世辞にもお芝居が上手とは言えないくらいな演技力…

そんなもんか…

あまり期待はしていなかったものの、73分という尺なので、なんとか最後まで観れるだろうと思い、見続けました。

そんな自分がバカでした。

観て行くうちに、じわじわと良くなる素晴らしい作品。最後はホッコリしながらも、涙が頬をつたっていました。

14年前に別れた父親が癌になったと聞かされ、母親から「最後にお父さんの写真を撮って来て」と頼まれた姉妹の物語。

設定は単純ですが、物語は飽きることなく展開し、始めは頼りなかった姉妹も最後にはしっかり成長して行きます。

タイトルの「チチを撮りに」のチチは、"父"であり"乳"だったんですね。

"父"はもちろん父親。"乳"は母親を指しているわけで、"親の愛"というものをテーマにした、心温まる作品でした。

短い尺の作品にも関わらず、見事に"人"を描ききっている。この監督かなりの技量の持ち主だなぁ…

と思っていたら、メガホンを取られたのは「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督とのこと。

僕はまだその作品を観ていないのですが、結構泣ける作品らしいですね。東野幸治さんも嗚咽を堪えながら映画館で泣いていたみたいです。

僕も前から観て観たかった作品なのですが、今作で断然興味が湧いて来ました。近々観てみようと思います。
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