73分という時間的な見やすさで選んだ作品。
二十歳の姉と女子高生の妹が主役の物語。演じられたのは二人とも無名な女優さんで、お世辞にもお芝居が上手とは言えないくらいな演技力…
そんなもんか…
あまり期待はしていなかったものの、73分という尺なので、なんとか最後まで観れるだろうと思い、見続けました。
そんな自分がバカでした。
観て行くうちに、じわじわと良くなる素晴らしい作品。最後はホッコリしながらも、涙が頬をつたっていました。
14年前に別れた父親が癌になったと聞かされ、母親から「最後にお父さんの写真を撮って来て」と頼まれた姉妹の物語。
設定は単純ですが、物語は飽きることなく展開し、始めは頼りなかった姉妹も最後にはしっかり成長して行きます。
タイトルの「チチを撮りに」のチチは、"父"であり"乳"だったんですね。
"父"はもちろん父親。"乳"は母親を指しているわけで、"親の愛"というものをテーマにした、心温まる作品でした。
短い尺の作品にも関わらず、見事に"人"を描ききっている。この監督かなりの技量の持ち主だなぁ…
と思っていたら、メガホンを取られたのは「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督とのこと。
僕はまだその作品を観ていないのですが、結構泣ける作品らしいですね。東野幸治さんも嗚咽を堪えながら映画館で泣いていたみたいです。
僕も前から観て観たかった作品なのですが、今作で断然興味が湧いて来ました。近々観てみようと思います。