円柱野郎

俺俺の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

俺俺(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作は星野智幸の同名小説。
小説は読んでないので何とも言えないけど、この不条理な感じの世界観は三木監督が好きだろうなと思う。
増殖する"俺"と意気投合する俺や、俺を削除しにくる"俺"からの逃亡など、もし自分が"自分"に囲まれたらと考えると出来事は実にシュール。
最初は増殖する"俺"が可能性の象徴なのかと思って観ていたらどうもそうではないようで、明らかに他人が何かの境で"俺"になっている場面も出てきて…。
こう書いてても訳の分からん話だ。

とにかく、自身の内面的な何かを象徴して"俺"が複数いるわけではなさそう。
あえて言うなら画一的な人間の増殖という、社会的なテーマをイメージしてしまうけれど、考え過ぎ?
不条理だから成立する話だし、その辺の理由は説明ない、あえて説明も要らないと思うけど。
まあ起承転結はしっかりしているので話から振り落とされることはない。
ただ、やっぱり何だったのかは良く分からないw

背景や小道具での遊びは監督の作品らしく相変わらず凝ってる。
三木作品の常連も脇役で出てくるし、その辺はニヤニヤする。
加瀬亮が妙なテンションの役をやってたなあw
亀梨和也の33役は、顔だけ合成のキャラはともかく、メインの3人が1フレームに収まる画などは実に自然な感じにできていて、素直に感心。
キャラの演じ分けも良かったしね。
円柱野郎

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