emily

スリーピング ビューティー 禁断の悦びのemilyのレビュー・感想・評価

3.5
女子大生ルーシーは学費のためあらゆるバイトに手を出していた。面接に行き体を舐めるように見られ受かった仕事は、秘密クラブで下着で男達をもてなす仕事だった。しかしもう少し稼げる仕事があると言われる。それは睡眠薬を飲んで眠っている間に老人達に好きに触らせる仕事で、挿入なしなので、その仕事をすることにしたが。。

白い実験室で何かを飲み込んでるルーシー、夜な夜な男遊び、地下鉄のキセル、自由契約の挿入なしのバイト。長回し、美しいインテリア、無音の中のティタイム、夜中の眠ったままの彼女に浴びせる暴言や好き放題されてる彼女の姿、誰も見ていない開放感が老人達の心を解き放っていく。それを傍観している観客はまるで証人にならされたような気分を味わい、その美しさに魅了される。白い肌が、程よいふくよかなボディの曲線美、夜景の中浮かび上がる恍惚としたボディ。

無意識下により白の中に独特の死臭が漂い、彼女が眠ってる間も確実に時間は進んでおり、目覚めた後の現実に確実に繋がっているのだ。それを知りたくなる。

自分の体に何をされているのか?何が起こっているのか?死を間近に控えた老人たちが自分よりも別次元の死に近いねむり姫をもてあぞぶ。何とも滑稽で、皮肉にも欲しいものを手に入れているようで寂しさを上塗りし、より死を感じずには居られなくなるのだ。

眠ってる間も確実に現実が流れ、それを見て居ない分目を開けた時知らない部分が増えていく。見たくない現実も目を背けたい現実もちゃんと見て受け入れることでしか、未来は開けない。眠るのは簡単だろう。眠って入れば何も見なくて済むだろう。しかしその代償はあまりにも大きいのだ。
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